カテゴリーU 有蓋ホッパ車 タイプE
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定義
Uaps、Uagps、Uapps、Uanpps、Uafgpps、Uagpps、Uagnpps、Uaoosの2軸ボギー有蓋ホッパ車についてタイプ別解説を行う。

タイプが下記基準で分けることとした。
タイプA:側面にビート状のリブを有するもの
タイプB:車体側面が垂直平面で、かつ車体(ホッパ)前後端の内側に斜めになっている部分が一つの直線で構成されるもの
タイプC:車体側面が垂直平面で、かつ車体(ホッパ)前後端の内側に斜めになっている部分が二つ以上の直線で構成されるもの
タイプD:車体側面が垂直平面で、かつ車体(ホッパ)前後端のに設けられている受板(補強板)が特殊なもの
タイプE:車体側面が円弧状のあるもの
   2023.4.29作成
タイプE1 78m3-16.19m-3hopper 
 車体は、天板および側板は緩やかな円筒状で、内部にはホッパとなる3つの漏斗状の四角錐台が溶接されている。3つの四角錐台の2つの境目には仕切板が設けられていると推測される。妻板は上部が垂直で、下部は漏斗状の四角錐台の側面となるため斜め内側に傾斜している。緩やかな円筒状の側板は側梁上面に溶接され、車体と台枠は一体構造となっている。側板の前後端は円弧状の形状となり、内部には補強が設けられている。
 車体上部には車体全長の9割以上に達する複数に分割された細長いハッチが設けられ、ヒンジとなっている片側を軸に開く構造になっていいて、全開させて積み荷を積み込む。3つのホッパにはそれぞれ底扉が設けられ、底扉ロック解緊レバーを操作してから側梁に設けられた丸ハンドルを操作して開閉させる構造となっている。丸ハンドルの隣に斜めのバーがみえるものが底扉ロック解緊レバーである。底扉は開くと積荷が全て排出されないと全閉できない構造である。
  台枠は平台枠であるが中梁は底扉と緩衝するため枕梁間を無くしていると推測され、車体と台枠が一体構造となり垂直荷重および連結方向の力を負担していると考えられる。基礎ブレーキ装置は空気ブレーキで、補助(留置)ブレーキ装置は設けられていない。
33 87 9331 088-3 RIV F-ERSA Uaoos 撮影:福田孝行 2019.5.23 Pratteln(スイス)
Uaoos 9331 フランス ERSA →解説
タイプE2 94m3-15.39m-3hopper 
 車体は、天板が車体全長に渡って中央に凸状の出っ張りを有して左右が平板、側板は緩やかな円筒状、内部にはホッパとなる3つの漏斗状の四角錐台が溶接されている。3つの四角錐台の2つの境目には仕切板が設けられていると推測される。妻板は上部が垂直で、下部は漏斗状の四角錐台の側面となるため斜め内側に傾斜している。緩やかな円筒状の側板は側梁上面に溶接され、車体と台枠は一体構造となっている。側板の前後端は円弧状の形状となり、内部には補強が設けられている。
  車体上部には車体全長の9割以上に達する複数に分割された細長いハッチが設けられ、ヒンジとなっている片側を軸に開く構造になっていいて、全開させて積み荷を積み込む。
  3つのホッパにはそれぞれ底扉が設けられ、側梁に設けられたハンドルを操作して開閉させる構造となっている。
  台枠は平台枠であるが中梁は底扉と緩衝するため枕梁間を無くしていると推測され、車体と台枠が一体構造となり垂直荷重および連結方向の力を負担していると考えられる。基礎ブレーキ装置は空気ブレーキで、補助(留置)ブレーキ装置は設けられていない。
37 80 9339 037-5 RIV D-VTGD Uagps 撮影:佐藤浩樹 2015.5.21 Porz(Rhein)(ドイツ)
Uagps 9339 ドイツ VTGD →解説
タイプE2' 94m3-15.51m-3hopper  
 タイプE2と容積が同一ながら全長が0.12m長くなったもの。外観構造は同一である。
33 83 9338 255-5 RIV I-MONF Uagpps 撮影:佐藤浩樹 2018.8.18 Ljubljana(スロベニア)
Uagpps 9338 イタリア MONF →解説
タイプE3ST 100m3-18.74m-3hopper  
※本形式はスウィング式ルーフであるため屋根開閉式貨車Tanppsとすべき形式
 
 車体は、天板および側板は緩やかな円筒状で、内部にはホッパとなる3つの漏斗状の四角錐台が溶接されている。3つの四角錐台の2つの境目には仕切板が設けられていると推測される。妻板は上部が垂直で、下部は漏斗状の四角錐台の側面となるため斜め内側に傾斜している。緩やかな円筒状の側板は側梁上面に溶接され、車体と台枠は一体構造となっている。側板の前後端は円弧状の形状となり、内部には補強が設けられている。
  上部には車体長さのスウィング式の積込口蓋(開閉式屋根)が設けられ、前側の台車上部の両側面に設けられたハンドルを操作し積込口蓋開閉軸を駆動して屋根を開閉する。片方の妻からの駆動だけで積込口蓋を開閉すると捻れるため反対側の妻側からも連動して開閉させる装置が設けられている。これを「積込口開閉連動装置」と呼ぶ。その詳細は、積込口蓋右側の車体上部に設けられた積込口蓋垂直駆動軸とリンクによりハンドルの操作力を反対側の屋根開閉軸に伝達し、両側の積込口蓋開閉軸を同期させて積込口蓋を開閉させる機構となっている。また両妻面には、駆動時に積込口蓋の重量とバランスして少ない駆動力で開閉できるようにするバネが設けられている。
  3つのホッパはそれぞれ前後方向にW形状で1つのホッパに対して底扉とノズル状の放出口が設けられ、近傍に設けられたレバーを操作して底扉を開閉させる構造となっている。
  台枠は平台枠であるが中梁は底扉と緩衝するため枕梁間を無くしていると推測され、車体と台枠が一体構造となり垂直荷重および連結方向の力を負担していると考えられる。基礎ブレーキ装置は空気ブレーキで、補助(留置)ブレーキ装置は設けられていない。
33 87 9342 003-9 RIV F-CTC Uanpps 撮影:佐藤浩樹 2014.5.9 Gremberg操車場(ドイツ)
Uanpps 9342 フランス CTC →解説
タイプE4ST 93m3-17.34m-4hopper 
※本形式はスウィング式ルーフであるため屋根開閉式貨車Tappsとすべき形式
 車体断面は屋根と側面を緩やかな円筒状で、内部にはホッパとなる4つの漏斗状の四角錐台が溶接されている。4つの四角錐台の3つの境目には仕切板が設けられていると推測される。妻板は上部が垂直で、下部は漏斗状の四角錐台の側面となるため斜め内側に傾斜している。緩やかな円筒状の側板は側梁上面に溶接され、車体と台枠は一体構造となっている。側板の前後端は円弧状の形状となり、妻面には2つの三角形の補強板が設けられている。
  車体上部には車体長さのスウィング式の積込口蓋(開閉式屋根)が設けられ、両妻の開閉式屋根駆動軸とリンク機構により開閉される。積込口蓋の開閉ハンドルが見当たらないが、写真の反対側に設けられていると推測される。

 4つのホッパ底には底扉が設けられ、側梁下部に見える丸ハンドルを回転させて開閉させる構造となっている。
 台枠は平台枠であるが中梁は底扉と緩衝するため枕梁間を無くしていると推測され、車体と台枠が一体構造となり垂直荷重および連結方向の力を負担していると考えられる。基礎ブレーキ装置は空気ブレーキで、補助(留置)ブレーキ装置は設けられていない。
37 80 9341 079-3 RIV D-VTG Uapps 撮影:佐藤浩樹 2019.8.14 Kelenföld(ハンガリー)
Uapps 9341 ドイツ VTG →解説
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