貨車銘板研究室−011 川崎造船所→川崎車輌→川崎重工 昭和46年 川崎重工 (タキ6350形6354) |
2002/4/16 修正 |
■社名・工場の変遷
■ 昭和24年 川崎車輌 製造 写真66 昭和44年,川崎車輌(株)は川崎重工(株)に吸収合併され,川崎重工(株)となった。銘板は,「車輌」の文字が「重工」に置き換わった以外変化はない。 銘板の主は,タキ6350形6354である。タキ6350形は昭和41年に登場した我が国初のペーストサイズ専用車で昭和49年までに7輌が新製されている。所有者は全車,星光化学工業(株)で,メーカーは6353の1輌を除き,川崎である。荷重は25トンと,昭和40年代の誕生にしては小さい。積荷の比重は水と同じ1.0であるため,余裕のある設計となっている。 ペーストサイズ剤とは,従来タンク車輸送されていた液体サイズ剤の濃度を2倍としたもので,常温ではペースト状の高粘度液体であるため,ペースト状のサイズ剤から専用種別名が付けられた。サイズ剤とはマレイン化ロジン石鹸を水に溶かしたのもで,ペーストサイズ剤は固形分66%,水分34%となっている。用途は,製紙用のサイズ剤で,インクの滲み防止剤である。 本形式の特徴は荷役方法にある。荷役方式は一般的な,ドーム上のマンホールから積み込み,タンク体下部の吐出管から荷卸しを行う,下出し方式であるが,カセイソーダや濃硫酸タンク車などに見られる空気管が設けられている。写真67でハシゴの後ろに見えるS字管がそれである。 これは,常温では積荷の積荷の粘度が大きく(ペースト状),積荷の自重と大気圧のみでは荷卸しが困難なためである。つまり,積込時は粘度を下げるため90℃の高温で行い,荷卸時にはタンク内を空気加圧し,強制的に荷卸しするのである。積込時の温度が高いため,輸送中も冷めにくくするため,厚さ75mmのグラスウール製断熱材と薄鋼板製のキセを設けている。 撮影場所は,今は無き西明石貨物取扱所である。西明石から八戸へ運用されていたが,昭和59年1月に車籍除外された。
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川崎の銘板 昭和13年 川崎車輌 製造 チキ1500形1627 昭和24年 川崎車輌 製造 昭和25年 川崎車輌 同和鉱業片上鉄道 昭和36年 川崎車輌 タキ2100形12149 昭和46年 川崎重工 タキ6350形6354 昭和57年改造 川崎重工 ホキ5900形5901 平成元年 川崎重工 コキ103形1,175 コキ102形99 |
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