福田孝行の貨車ホームページ |
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現在はコンテナ駅となってしまった名古屋南港であるが,かつて名古屋が冠される前の南港駅は,私有貨車ファンのメッカであった。広大なヤードは,夏期の休車石油系タンク車,用途が無くなり冬眠に入った私有貨車,廃車寸前のタンク車などが溢れかえっていた。時に,新車回送の新車に偶然巡り会うこともあった。今回の私の貨車アルバムは,そんな思い出のある南港での1枚である。 このタサ1799は数あるタサ1700形の中で3輌しかいない珍品である。タサ1700形は20トン積ガソリン専の標準車として,昭和24〜37年までに485輌が製造された。4本番バンドを持ったものは昭和24年に川崎車輌で新製されたタサ1798〜1800の3輌のみであった。所有者は本形式中この3輌が全てであった昭和石油(株)である。 さて,なぜ,本ロットのみ4本バンドだったのであろうか。写真37は同時期に汽車が新製したタキ100形128で,所有者は昭和石油(株)である。この写真から推定すると,昭和石油(株)が川崎に20トン積ガソリン専用車を発注する際に,タキ100形128と同構造であることを指定したのではなかろうか。ともかく,タキ100形128の台車をTR41Cに履き替え,車体長さを縮めれば,あっという間にタサ1700形1799となりそうである。 塩浜を常備駅としていたが,南港へは片道切符だったようで,撮影から2ヶ月後の8月8日付けで廃車された。
【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】 |
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同一専用種別 タム500形2538 タム500形2659 |