吉岡心平のマーク

タム7700形7700

私有貨車

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タム7600形
タム7800形

 番号
ロット表


タム7701

 ページ
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特別編792
特別編794

積荷
●構造

入口


 タム7700形は15トン積塩化メチレン専用車で、昭和35〜40年に4ロット4両が日立・富士重・三菱で製作された。所有者は全て信越化学工業であった。

 積荷の塩化メチレンは沸点40℃・比重1.34の高揮発性の香気ある無色不燃性液体。低毒性の有機塩素系溶剤として脱脂・洗浄・抽出などに用いられた。吸湿すると分解して塩酸を発生するため、水分混入と残液防止を考慮する必要がある。

 タム7700は昭和35年12月三菱製で、本形式唯一の三菱製であった。

 設計比重は1.25・タンク容積は12.0mであった。
 タンク体はステンレス鋼(SUS27、現在の30

4)製で、板厚は胴板6mm・鏡板8mm、タンク寸法は直径1,510mm・長さ6,900mmと細くて長い。沸点が低いためタンク周囲には厚さ50mmのグラスウール断熱材と薄鋼板からなる保冷キセが設置されていた。
 荷役装置は吐出管を用いた通常の下出し方式だが、水分により腐食防止のため、マンホール部には大型の雨除けカバー、タンク上にはタンク内に流入する空気を除湿するための乾燥箱が設置されていた。
 台枠は平形で、長さ7,700mm・軸距4,500mmと大型であった。ブレーキ装置はKD203形空気+片側、走り装置は2段リンク式であった。

 落成時の所有者は信越化学工業KK・常備駅は黒井であった。八王子などに運用されていたが、平成8年12月に廃車となった。


タム7700形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
7700 S3512 三菱 信越化学工業KK
7701 S3702 富士重 信越化学工業KK
7702 S3811 富士重 信越化学工業KK
7703 S40xx 日立 信越化学工業KK

タム7700形7700の写真

【写真1793】 タム7700形7700 P:吉岡心平所蔵

同一メーカー製だけあって乾燥箱の形はタキ7800形と良く似ている。


【特別編793】070711作成R4BX2、071010R4B。