吉岡心平のマーク

タム7700形7701

私有貨車

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タム7600形
タム7800形

 番号
ロット表

タム7700
タム7702

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特別編285
特別編287

積荷
●構造

入口


 タム7700形は15トン積塩化メチレン専用車で、昭和35年から40年にかけて4両が製作された。一両づつ製造年が異なり。更にメーカーも三菱・富士重・日立に別れるなど、バラエティに富んだ形式である。

 タム7701は昭和37年2月富士重で製作された。両端に寄ったタンク受台やキセの形態など、2年前に同社が製作したタム7600形7600と比較するのも興味深い。なお、昭和38年富士重製のタム7702が私有貨車図鑑に掲載されているので、お持ちの方はご覧頂きたい。
 設計比重は1.3・タンク容積は11.5mであった。タンク材質はステンレス鋼製(SUS304・304L)で、直径は1,550mm・長さは6,350mmであった。周囲には保冷のため厚さ100mmのスチロポール断熱材と薄鋼板製のキセがあった。積荷

は水分により分解し、腐食性のある塩化水素を生ずるため、本形式特有の装備として、ドーム上部には防水カバーが設置されている。
 荷役装置は積荷が不燃性のため、通常の上入れ下出し方式であった。塩化水素の発生を防止するため、タンク上部には荷卸し時にタンク内部に流入する空気の除湿装置が装備されていた。さらにタンク内面に付着した分解物を除去・洗浄するため、洗浄管が備えられていた。
 台枠は平台枠で、長さは7,200mm・軸距4,200mmであった。走り装置は最初から2段リンク式である。

 所有者は信越化学工業KK、常備駅は黒井であった。八王子にある某フィルムメーカーへの溶剤輸送に使用されていたようで、八王子駅の名物であった。平成8年12月に廃車となった。


■主要諸元
製造年   昭和37年2月
製造所   富士重
設計比重 1.30
タンク容積 11.5m3

●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドーム付
タンク材質 ステンレス鋼
タンク板厚 胴板6・鏡板8mm
タンク直径 1,550mm
タンク長さ 6,350mm
熱絶縁   厚さ100mmSP材
付帯設備 吸湿・洗浄装置
●荷役方式
荷役方式 上入れ下出し式
●下廻り
台枠形式   平形
台枠長さ   7,200mm
軸距      4,200mm
留置ブレーキ 片側
空気ブレーキ KD203形
走り装置   2段リンク式

タム7700形7701の写真

【写真1286】 タム7700形7701 昭和50年7月6日 八王子駅にて P:遠藤文雄

【遠藤さんから貴重な写真を提供して頂きました】


【特別編286】0201010作成、040111R4、050315リンク変更、050503R4A、060915ロット表R2、070614
R4A2、070711ロット表を特別編793に移設、081124R4BY、110308R4B、130822諸元追加+R4C。