吉岡心平のマーク

タキ3800形3800

私有貨車

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タキ3700形
タキ3850形

 番号
ロット表


タキ3803

 ページ
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特別編750
特別編752

積荷
●構造

入口


 タキ3800形は35トン積セメント専用車で、日車が独自に開発した「カマボコ形タンク車」に属する。更に本形式は、小規模なセメント輸送用として駅頭での貨車からトラックへの積替を考慮し、自車に装備した動力源でエアスライドとスクリューコンベアを駆動出来るようになっていた。

 タキ3800は昭和39年2月日車支店製で製作された。一両一ロットで、本形式の中では試作車としての色彩が強い。

 設計比重は1.1・タンク容積は31.8mであった。
 タンク体は普通鋼製で、寸法は上部直径2,300mm・長さ9,600mmであった。タンク体の固定方式は後期の車両と異なり、先輩格のタキ5300形と同様の帯金方式であった。

 荷役方式はエアスライドで積荷を一旦ホッパ中央下部に落したものをスクリューコンベアでタンク上部に持ち上げ、トラックに積み込む。これらの動力源として床下に箱に入ったガソリンエンジンを装備していた。
 台枠はカマボコ形タンク車の標準である中梁省略形で、11系タンク車の祖先となったことで知られる。台枠長さは10,700mm・BC間距離7,400mmで、ブレーキはKD254形空気+手、台車はTR41Cであった。

 所有者は宇部興産KK・常備駅は芝浦であった。常備駅は昭和41年3月宇部港、昭和43年6月博多港と変わった。道路事情の改善に伴い、わざわざ鉄道〜トラックへの積替えを行う必然性は薄れ、コンベアは次第に使用されなくなった。昭和54年6月に廃車となった。


●参考文献 吉岡心平「カマボコ形タンク車のすべて・私有貨車セミナー第31回」;RM149号(1996)


タキ3800形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
3800 S3902 日車支店 宇部興産KK
3801,3802 S3908 日車支店 宇部興産KK
3803 S4112 富士車両 宇部興産KK
3804〜3809 S4401 富士車両 宇部興産KK
3810〜3814 S4401 日車支店 宇部興産KK

タキ3800形3800の写真

【写真1751】 タキ3800形3800 昭和58年5月1日 小名浜埠頭駅にて P:吉岡心平


【特別編751】070212作成R4A、070705R4A2、070915ロット表R3、080505R4BY、090927作成R4B。