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シム20形20 |
私有貨車 |
形式 |
番号 |
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●積荷 |
■入口 |
今回はわが国で、ただ一両の2軸大物車であったシム20形を解説しよう。 シム20形が誕生したのは昭和12年で、発注者である芝浦製作所が、鶴見臨港鉄道の沿線に位置していたことから、同社車籍の私有車として製作された。メーカーは汽車東京であった。私鉄時代の形式・番号はシム110形110で、最初から国鉄線への連絡直通認可を受けていた。昭和19年2月に鶴見線が戦時買収された際、国鉄のシム20形となった。 その用途は、変流器のような軽量かつ嵩高な機器の輸送であった。このため構造は弓形梁式+落し込み式の折衷とされ、車体中央の低床部には四角い穴が開いており、変流器など高さの高い |
積荷は、一端をこの穴に落し込んで積載した。このような例は他にシサ1形がある程度で、我国では稀な存在と言ってよいだろう。なお東芝としての後継車は、シキ90形やシキ25形など、純粋の落し込み式大物車となっている。 落成時の所有者は芝浦製作所KK・常備駅は新芝浦であった。その後、社名は東京芝浦電気KKに変わったが、一貫して新芝浦駅のマスコット的存在であった。昭和52年4月に廃車となった。 |
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●関連形式 シキ90形91(特別編85) 昭和35年東芝製、35トン積落し込み式で国鉄貨車のコピー。 シキ25形25(特別編65) 昭和35年日車支店製、50トン積落し込み式大物車。 【特別編249】020803作成、020901写真1249の3追加、0301208リンクを変更、040109R4、050411R4A、 |
【写真1249の1】 シム20形20 日時不明 新芝浦駅にて P:鈴木靖人撮影/堀井純一所蔵
台枠ら沿って、細かな字で書かれた標記文字が圧巻!
【堀井さんから故鈴木さんが撮影された、貴重な写真を提供して頂きました】
【写真1249の2】 シム20形20 日時不明 新芝浦駅にて P:宮城島孝
ヨンサントウ以降の撮影で、台枠上辺に沿って、細く黄帯が巻かれている。
【宮城島さんから貴重な写真を提供して頂きました】
【写真1249の3】 鶴見臨港鉄道シム110形110 P:吉岡心平所蔵
出典:「鉄道常識読本」p.206;大教社出版部(1941)
台枠の辺りの感じが異なるのは、写真が修正されているためだろうか。