吉岡心平のマーク

シム20形20

私有貨車

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シム1形
シム200形

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[ロット表]


 ページ
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特別編248
特別編250

積荷
●構造

入口


 今回はわが国で、ただ一両の2軸大物車であったシム20形を解説しよう。

 シム20形が誕生したのは昭和12年で、発注者である芝浦製作所が、鶴見臨港鉄道の沿線に位置していたことから、同社車籍の私有車として製作された。メーカーは汽車東京であった。私鉄時代の形式・番号はシム110形110で、最初から国鉄線への連絡直通認可を受けていた。昭和19年2月に鶴見線が戦時買収された際、国鉄のシム20形となった。

 その用途は、変流器のような軽量かつ嵩高な機器の輸送であった。このため構造は弓形梁式+落し込み式の折衷とされ、車体中央の低床部には四角い穴が開いており、変流器など高さの高い

積荷は、一端をこの穴に落し込んで積載した。このような例は他にシサ1形がある程度で、我国では稀な存在と言ってよいだろう。なお東芝としての後継車は、シキ90形やシキ25形など、純粋の落し込み式大物車となっている。
 車体の組立方法は鋲接だが、これは当時溶接は衝撃を受ける用途に適さないと考えられていたことによる。
 走り装置は、写真では判りにくいが一段リンク式で、ヨンサントウでも2段リンク化するスペースがなく、そのままとされた。車軸は長軸である。

 落成時の所有者は芝浦製作所KK・常備駅は新芝浦であった。その後、社名は東京芝浦電気KKに変わったが、一貫して新芝浦駅のマスコット的存在であった。昭和52年4月に廃車となった。


●関連形式 シキ90形91(特別編85) 昭和35年東芝製、35トン積落し込み式で国鉄貨車のコピー。

        シキ25形25(特別編65) 昭和35年日車支店製、50トン積落し込み式大物車。


【特別編249】020803作成、020901写真1249の3追加、0301208リンクを変更、040109R4、050411R4A、
090701R4BY。

シム20形20の写真

【写真1249の1】 シム20形20 日時不明 新芝浦駅にて P:鈴木靖人撮影/堀井純一所蔵

台枠ら沿って、細かな字で書かれた標記文字が圧巻!

【堀井さんから故鈴木さんが撮影された、貴重な写真を提供して頂きました】

シム20形20の写真

【写真1249の2】 シム20形20 日時不明 新芝浦駅にて P:宮城島孝

ヨンサントウ以降の撮影で、台枠上辺に沿って、細く黄帯が巻かれている。

【宮城島さんから貴重な写真を提供して頂きました】

シム20形20の写真

【写真1249の3】 鶴見臨港鉄道シム110形110 P:吉岡心平所蔵

出典:「鉄道常識読本」p.206;大教社出版部(1941)

台枠の辺りの感じが異なるのは、写真が修正されているためだろうか。