吉岡心平のマーク

タキ14800形14821

私有貨車

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タキ14700形
タキ14900形

 番号
ロット表

タキ14811
タキ14823

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特別編700
特別編702

●積荷
●構造

入口


 タキ14800形は35トン積カプロラクタム専用車で、昭和44〜56年に34両が川崎・富士車両・三菱で製作された。
 今回は、宇部興産の所有車のうち、川崎製の未更新車を取り上げる。

 タキ14821は昭和44年7月川崎で14822との2両ロットとして製作された。川崎製では一月前に製作された14800,14801のリピートである。

 設計比重1.01は溶融状態で積み込むため80℃での値を採用した。タンク容積は34.2mである。
 タンク体はステンレス鋼製で、35系では異例となる魚腹形異径胴を採用した。形態はFV3タイプに類似し、両端直径1,950mm・中央直径2,400mm・長さ9,550mmだが、実際には異径胴

部は上に反っており、両端は中央より約50mm高い。高度の断熱性能が求められたため、タンク体周囲の保温材には敢えて高温使用は禁忌とされるウレタンを採用し、厚さも150mmと厚くした。
 荷役方式は窒素加圧による上出し方式で、配管・弁装置は保温のため、タンク上部に見える前後スライド式の大型カバーに収納されている。
 台枠は35系標準の中梁省略形で、長さは10,300mm・BC間距離は7,300mm、ブレーキは重量車用のKE形+両側、台車はTR41Cから第二次台車改造の際にTR41DSに改造された。

 所有者は宇部興産KK・常備駅は居能で、延岡の旭化成へのナイロン原料輸送に専用されていた。僚車のタキ14822は昭和49年に缶体を更新したが、本車はそのまま使用され、平成元年12月に廃車となった。


【特別編701】060829作成R4A、070718R4A2、080503R4BY。

タキ14800形14821の写真

【写真1701】 タキ14800形14821 昭和52年3月5日 宇部港駅にて P:吉岡心平