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シキ700形700

私有貨車

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シキ670形
シキ800形

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[ロット表]


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特別編699
特別編701

積荷
●構造

入口


 大変お待たせしたが、特別編700回記念としてシキ700形の解説をお届けしよう。

 シキ700形は荷重280トンの大物車で、我国最大の貨車。また登場時は、狭軌鉄道で最大荷重の貨車として喧伝された。

 シキ700は昭和36年10月日立製で、自社の変圧器輸送用として製作された。

 全体構造はシキ600形を更に大型化し、軸数を4軸、荷重を40トン増としたもの。車体には高張力鋼(WELTEWN50)を用い、8台の台車の上には台車上枠4組・まくら枠2組・荷受梁2組(前後)がいずれも全溶接で組み立てられている。荷受梁はガーター構造だが、縦補強はシキ400形と同様に外側に設置されたため、外観はシキ600形と大きく異なっていた。
 特殊な装備として、曲線通過時の安定性向上と積荷の偏倚量を減少させるため、荷受梁に可偏心皿を採用したが、荷重支持方式は特許の関係

でシキ600形の車輪方式とは異なり、複数のコロを並べた構造とした。
 軸配置は4−4−3−3軸複式で、4軸台車4台と3軸台車4台を組合せた。本形式の特徴の一つである台車は、独自構造の釣合梁式で4軸台車は軸距1,200mmx4、3軸台車は軸距1,200mmx3であった。軽量化のため台車枠には軸箱守がなく、軸箱は釣合梁に固定され、釣合梁と台車枠は円筒状のガイドで上下にスライドするようになっていた。釣合ばねはコイルとオイルダンパの併用である。車軸は中空軸を用いた12トン短軸で、車輪径は800mmであった。緩衝器はゴム併用の油圧緩衝器、ブレーキは手動切替式積空ブレーキで、台車当りUCシリンダを2個づつ装備した。留置ブレーキは手で、伝達に一部チェーンを用いた変わった構造のものであった。

 所有者はKK日立製作所・常備駅は変圧器工場のある常陸多賀であった。最高運転速度は積車45・空車65km/hであったため、ヨンサントウで黄帯を巻いた。昭和57年6月に廃車となった。


【特別編700】060824作成R4A、081010R4BY。

シキ700形700の写真

【写真1700】 シキ700形700 P:吉岡心平所蔵