吉岡心平のマーク

タキ14800形14811

私有貨車

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タキ14700形
タキ14900形

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ロット表

タキ14804
タキ14821

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第198週
第200週

●積荷
●構造

入口


 昭和40年代も中頃になると、国鉄主導による新規化成品輸送用のタンク車開発が盛んとなった。ナイロン原料であるカプロラクタム専用車もその一つで、高温下で溶融輸送するが過熱すると分解変質するため、高度の保温装置を具備するタンク車として開発された。
 メーカーによる保温構造の差異で、形式はタキ14800と17500形のふたつに別れるが、今回はタキ14800形のうち、三菱化成が三菱重工で製作したタイプを取り上げる。

 タキ14811は昭和44年10〜11月に三菱で14807〜14820の14両が製作されたうちの一両である。

 F3タイプ異径胴のタンク体はステンレス鋼製で、寸法は両端直径1,850mm・中央直径2,400

mm・長さ10,030mmであった。温度面の要求を満たすため、周囲には厚さ150mmのウレタン断熱材とステンレス薄板製のキセがあり、またタンク下半分の外壁には外部加熱管が設置されていた。軽量化のためタンク踏板・梯子はアルミ合金製である。三菱タイプの見所は、タンク受台部に断熱用のFRP板を挟むため、タンク固定にワイヤロープを用いた点にあり、受台下端にはワイヤ固定部が見て取れる。
 台枠は35系標準タイプで、長さ10,650mmであった。ブレーキ装置は両側+KE形、台車はTR41Cであった。

 所有者は三菱化成工業KK・常備駅は黒崎で、宇治駅にあったユニチカへカプロラクタムを輸送していた。昭和63年5月に社名は三菱化成KKとなり、平成元年10月に廃車となった。


【第199週】040620作成R4、050429R4A、070718R4A2、080812R4BY。

タキ14800形14811の写真

【写真199】 タキ14800形14811 昭和50年7月26日 黒崎駅にて P:吉岡心平