吉岡心平のマーク

タム500形578

私有貨車

 形式
索引

タム400形
タム600形

 番号
[ロット表]

タム546
タム590

 ページ
索引

特別編635
特別編637

積荷
●構造

入口


 今回は戦前に製作された日車製タム500形を紹介しよう。戦前のタンク車は新潟製が大半を占めるので、該当するのはタム538〜544,570〜579の2ロット17両でしかなく、昭和11〜13年に全車小倉石油向に製作されている。

 タム578は昭和12年12月日車本店製で、2ロット目10両の一員であった。

 外観は一風変わっており、細く長いタンク体に偏ったドームなど、なにか流線型を想起させるスタイリッシュなものだ。
 タンク体は普通鋼製で、直径は1,876mm・長さは7,900mmであった。ドームの左脇にある細い筒は、吐出弁ハンドルの収納用である。ドーム右側に突出しているパイプは戦前製タンク車に良く見られる「液入管」で、タンク底部に開口し、積込時の液流れをスムーズとして静電気の蓄積を防ぐ

ためとされたが、効果に疑問があり戦後の新製車では廃止された。タンク受台は形鋼を組立てたもので、形態はタム600形と良く似ている。
 台枠は平形で、長さは8,000mm・BC間距離は4,100mmであった。トラに類似した大型のもので、中央に横梁を持つため、センタアンカは前後に2分割されていた。
 ブレーキ装置は手+KD形空気で、側梁は150mmチャンネルと細い。走り装置は落成時の一段リンク式から、ヨンサントウで2段リンク式に改造された。

 落成時の所有者は小倉石油KK・常備駅は新興であった。日石との合併で、昭和16年8月日本石油KK所有・小名木川駅常備となった。その後の常備駅は新興と秋田港を往復し、昭和39年6月には根岸線開業と同時に根岸駅常備となった。昭和45年7月に廃車となった。


【特別編636】051213作成R4A、060120リンク追加、071123R4A2、080926R4BY。

タム500形578の写真

【写真1636】 タム500形578 昭和44年6月9日 高島貨物駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】