吉岡心平のマーク

タム400形426二代

私有貨車

 形式
索引

タム300形
タム500形

 番号
[ロット表]

タム414
タム481

 ページ
索引

特別編578
特別編580

積荷
●構造

入口


 化成品の代表と言えば、濃硫酸とカセイソーダ液だが、今回は両者の間を渡り歩いたクルマを取り上げる。

 タム426は424〜426からなる3両ロットの一員として、昭和5年7月新潟で製作された。既出のタム406から一年半後の誕生である。

 当時はタンク体の固定が明治時代の横木方式から、現在まで続くセンタアンカ方式に変わった時期であり、下回りも空気ブレーキや自動連結器を初めから装備するなど、タンク車の構造が革新された時期であった。但しタンク体組立は未だに鋲接で、溶接が本格的に採用されるのは昭和10年代に入ってからである。
 タンク体は普通鋼製で、前述したようにセンタアンカ方式だが、興味深いのはタンク固定用の帯金が3本ある点で、中央の帯金がドームと干渉する部分は、ドーム両側を鉢巻状にとり巻いている。
 荷役方式は空気加圧による上入れ上出し方式だが、同一ロットであるタム424の落成写真と比

較すると、当初はS字管として設置されていた液出管と空気管が撤去されている。これは腐食が激しく、国鉄として保守しきれなくなったため、所有者と協議の上撤去したことによる。
 台枠は平形で軸距3,000mmと短く、ブレーキ装置はKD形空気+片側、走り装置は一段リンク式であった。

 所有者は日本曹達KK・常備駅は大寺であった。昭和18年8月、12トン積カセイソーダ液専用に改造され、タ2300形2304となった。改造と言っても荷重変更による担いバネの交換程度で、実態は専用種別変更であった。常備駅も二本木に移動し、戦中はそのまま過ごしたが、昭和32年6月に濃硫酸専用に復元され、タム426の二代目となった。常備駅は大寺に戻ったが、昭和40年6月に磐梯町に改名された。所有者は昭和41年12月に日曹金属KKとなった。ヨンサントウでは支線区限定運用車として存続し、タム20400形20426に改番されたが、間もない昭和44年1月に廃車となった。


カセイソーダ液専用車のガイド


【特別編579】050421作成R4A、071130R4A2。

タム400形426二代の写真

【写真1579の1】 タム400形426二代 昭和36年10月27日 会津若松駅にて P:豊永泰太郎

【豊永さんの貴重な写真を提供して頂きました】

タンク梯子は側面に移設されたが、タンク上の踏板は残ったままだ。

タム400形424の写真

【写真1579の2】 タム400形424 P:吉岡心平所蔵