吉岡心平のマーク

タム300形333

私有貨車

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タム200形
タム400形

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[ロット表]


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特別編795
特別編797

積荷
●構造

入口


 タム300形は昭和3年の称号改正で、15トン積濃硫酸専用車を改番して生まれた形式である。同時に誕生したタム400形との違いがあいまいで、後に後者が濃硫酸タンク車の主流形式となったため、本形式は忘却の彼方へと去っていった。
 参考までに改番からタム300形のラストが製作されるまでの新製状況をリストアップしておこう。

(改番時ラストはタム323・タム403)
S0401 タム324〜326
S0402 タム404,405,420〜423
S0403 タム327〜330
S0403 タム406,407
S0408 タム331,332
S0412 タム333(本車)
S0507 タム424〜426
S0510 タム334,335(タム300形ラスト)
S0512 タム427

 これらのタム300・400形の専用種別は全て濃硫酸で同一であった。なおタム408〜419が謎の欠番だが、これらはタム413の解説で述べたように昭和11年の増備で埋められている。

 タム333は昭和4年12月新潟で一ロット一両として製作された。

 設計比重は1.81・タンク容積は8.3mであった。
 タンク体は普通鋼を鋲接で組立てたもので、底板を前後一体とした板取りなど漏洩防止に留意した設計である。タンク固定は側面4箇所の当て板と鏡板部の横木を併用した方式であった。
 荷役方式は空気圧による上出し方式で、当時は後年と異なり、濃硫酸専用車もS字管を装備していたことが判る。
 台枠はワ22000形と良く似た平形で、軸距は3,000mmであった。ブレーキ装置はKD形空気+片側、走り装置は嵩上げ用の駒を用いたシュー式であった。

 落成時の所有者は新潟硫酸KK・常備駅は関屋であった。昭和9年9月には東部硫酸販売KKに移籍した。戦時中は日本硫硝酸統制所有となり、昭和23年4月には東洋高圧工業KK所有・大牟田駅常備となった。廃車時期は不詳だが、昭和40年頃と思われる。

●関連形式 タム400形406 当時製作されたタム400形の例。
        タム400形414 昭和11年に欠番を埋めた車両。

タム300形333の写真

【写真1796】 タム300形333 P:吉岡心平所蔵


【特別編796】070723作成R4BX3、080107R4B。