吉岡心平のマーク

タキ100形106

私有貨車

 形式
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タキ50形
タキ150形

 番号
ロット表

タキ103
タキ127

 ページ
索引

特別編570
特別編572

積荷
●構造

入口


 今回はタキ100形の中でも、最も珍奇なスタイルのロットを取り上げよう。

 タキ106は昭和4年12月に日車本店で誕生した30トン積重油専用車で、106〜114の9両からなるロットであった。

 写真で判るように何とも不思議な形態で、タキ50形50〜52を除けば類似した車両は皆無だ。実は前ロットであるタキ100〜105は僅か半年前の産物で、両者の設計にどうして此れほどの隔絶が生まれたのかは判然としない。
 タンク体は普通鋼製で鋲接により組立てられ、板厚は胴板8mm・鏡板は10mmであった。形態は前ロットと異なり、普通のドーム付直円筒形となったが、今度は偏って付いたドームが小判型の変ったカタチとなった。タンク寸法は直径2,050

mm・長さ10,618mmであった。
 タンクと台枠の固定はセンタアンカ方式だが、当時の日車製大型車の通例として、タンク胴板〜側梁間に4箇所の繋ぎ板が設置されている。またタンク受台の一部には硬木が用いられていた。
 台枠も前ロットから一転して通常の平形となり、長さは11,270mm・BC間距離は7,970mmであった。米国のタンク車のように、台枠の全周には歩み板が設けられてい.る。ブレーキは空気+手、台車はTR20であった。

 落成時の所有者はライジングサン石油KK・常備駅は石油(後の浜安善)であった。戦前期は野内・鷹取・白鳥など各地を転々とし、戦時期は統制会社の所有を経て、戦後はシェル石油KKに復帰した。連合軍への貸渡しを経て、ようやく昭和27年頃からは浜安善駅に定住したが、昭和45年7月に廃車となった。


タキ100形106の写真

【写真1571】 タキ100形106 昭和45年6月17日 高島駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】


【特別編571】050312作成R4A、070628R4A2、081222R4BY、100409R4B、130723R4C。