吉岡心平のマーク

タキ17500形17500

私有貨車

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タキ17400形
タキ17600形

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ロット表


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特別編568
特別編570

●積荷
●構造

入口


 タキ17500形は昭和44〜46年日立で4両製作された35トン積カプロラクタム専用車である。

 タキ14800形との競作で、同一荷重にも拘わらず別形式となったのは、当時アメリカで広く採用されていた二重壁型熱絶縁構造を我国で最初に取り入れたタンク車であり、車体構造が大きく異なったためである。
 具体的には、タンク体は耐候性高張力鋼製の外タンクとステンレス鋼製の内タンクとの二重構造となり、その間には現場で発泡したウレタン断熱材が充填され、内タンクは断熱材により浮いた状態で支えられている。外タンク体は粉体タンク車に類似した軽量構造とされ、台枠と一体化されていた。

 タンク体はFV2タイプ異径胴で、寸法は両端直径1,900mm・中央直径2,348mm・長さ10,340mmであった。タンク外周には8本の補強環があり、これと受台・台枠とは一体となっていた。

 また内部にはステンレス鋼製の蒸気加熱管が設置されていた。
 なお本車とタキ17502の2両は、ウレタン断熱材に起因するタンク体腐食により、昭和53年8月に内タンク体を新製したものに更新した。この際、外タンクは一旦解体した上で再用している。
 台枠は粉体タンク車と類似し、側梁は200mmチャンネル製である。長さは11,020mm、ブレーキ装置は両側+空気、台車はTR41Cからタンク体更新時にTR41DSに改造された。

 落成時の所有者は住友化学工業KK・常備駅は鶴崎で、延岡の旭化成へのカプロラクタム輸送に使用された。昭和48年11月には日本石油輸送KKに移籍し、東高島駅常備となったが、常備駅は昭和50年3月に再び鶴崎となった。昭和62年3月に名古屋南港駅に移動し、平成6年9月には専用種別が石炭酸に変わったと言われるが真偽は不明である。平成13年4月に廃車となった。


●同一専用種別 タキ14800形14804 昭和44年富士車両製、宇部興産KKの所有車。

           タキ14800形14811 昭和44年三菱製で三菱化成工業KK向。

           タキ14800形14831 昭和55年三菱製で三菱化成工業KK向。


タキ17500形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
17500〜17502 S4411 日立 住友化学工業KK
17503 S4611 日立 住友化学工業KK

タキ17500形17500の写真

【写真1569】 タキ17500形17500 昭和60年9月8日 東高島駅にて P:吉岡心平

ドームのように見えるのは弁類の保温カバーで、手前のカバーは後天的に嵩上げされている。


【特別編569】050303作成R4、050410R4A、060110ロット表追加、070601ロット表R2A、070703R4A2、
070713ロット表R3、081222R4BY、100507R4B。