吉岡心平のマーク

タム9800形9801

私有貨車

 形式
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タム9600形
タム20080形

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[ロット表]


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特別編567
特別編569

積荷
●構造

入口


 「タム」の最終形式となったタム9800形は、薄幸の形式だった。

 タム9800形は15トン積アミノ酸専用車として、昭和55年10月日車で1ロット20両が製作された。この数は、ボギー車のタムとしては最多両数形式であった。

 当時老朽化していたタム5000形のうち、アミノ酸専用として運用されていた車両の取替用として製作された形式である。

 設計比重は1.11・タンク容積は13.5m3である。積荷のアミノ酸は調味液素材として用いられるため、タンク内部への液残りを嫌う。このため、タム5000形では円筒形タンクの底面に傾斜板を入れて残液を防止していたが、本形式ではタンク車では珍しい、タンク中央を僅かに太くしたF2異径胴を採用した。

 タンク体は普通鋼製で、内面は厚さ3mmの天然ゴムでライニングされ、寸法は両端直径1,550mm・中央直径1,600mmと中央が50mm太くなり、長さは7,580mmであった。鳥かご状の手摺は味タムに倣ったものだろう。
 台枠は通常の平型で、長さ9,300mmに対しBC間距離は6,200mmと、車体を短縮しながらBC間を大きく取った設計となっている。軽量車のため積空ブレーキは装備せず、台車もTR213Cの枕バネを外バネだけとした軽量車用のTR213Dとなった。

 所有者は日本陸運産業KK・常備駅は北袖であった。不幸なことに落成後の情勢変化で、実際には使用されなかったようである。タム9800〜04はタム9400形塩酸専用車の9405〜09に改造され再起したが、残る15両は長期間留置されたまま、昭和63年4月に廃車となった。なお廃台車の一部は、他形式に転用されている。


●関連形式 タム9400形9400(第301週)   良く似たボギー塩酸専用車。昭和45年日立製で東洋曹達工業KK向。

        タム9400形9403(特別編411) こちらは昭和49年三菱製で東洋曹達工業KK向。


【特別編568】050225作成R4、050410R4A、060810リンク追加、070703R4A2、090126R4BY。

タム9800形9801の写真

【写真1568】 タム9800形9801 昭和59年12月23日 村田駅にて P:吉岡心平