|
タム9600形9600 |
私有貨車 |
形式 |
番号 |
▲ |
ページ |
●積荷 |
■入口 |
ここで紹介するのは京都にお住まいの齋藤さんのリクエストで、わが国初の超低温タンク車として有名なタム9600形である(注)。 タム9600形は昭和48〜50年に4両が日車で製作された。積荷の「LNG」は液化天然ガスの略で、マイナス100℃を超える超低温下で輸送するため、タンク体は内外の二重とされ、その間は熱絶縁のため真空となっていた。これが「魔法瓶タンク車」と呼ばれる所以である。 タム9600は昭和48年11月に製作された第一号車で、試作車的色彩が強い。タンク材質は内タンク体がステンレス鋼(SUS304)、外タンク体は溶接構造鋼(SM400)である。内外タンク体の間隙にはパーライトと呼ばれる粉末が充填され、荷重と衝撃力は内外タンク体を結ぶリンクにより伝達されている。 |
台枠は平台枠で、長さは18,150mm・BC間距離は12,750mmである。オーバーハング長が2,700mmと異常に長いのは、弁装置側のタンク体が奥まっているため、この荷重を負担するようにしたためだ。自連緩衝器には、入換時の衝撃を緩和するため、大容量ゴム緩衝器であるRD90形を使用した。台車は落成時は本形式唯一のTR211C形だったが、直ぐにオイルダンパ形式を変更したTR211E形に改造された。このためTR211Cは極く短期間しか存在せず、幻の台車のひとつとなっている。 所有者は東京ガスKK・常備駅は鶴見川口で、運用は日立への都市ガス原料用LNGの輸送であった。当初は東京の基地と各衛星都市間に30両程度を運用するとの噂もあったが、結局この4両に終った。原因は、鉄道輸送に特有の入換時の衝撃が問題であったと言われている。 |
|
【特別編14】010125作成、021020本文修正+リンク追加、040210R4、050224R2A、070916R4A2、071014 |
ロット | 番号 | 製造年 | 製造所 | 落成時の所有者 |
1 | 9600 | S4811 | 日車 | 東京ガスKK |
2 | 9601〜9603 | S4912〜5002 | 日車 | 東京ガスKK |
【写真1014】 タム9600形9600 昭和56年8月16日 塩浜操駅にて P:吉岡心平