吉岡心平のマーク

タキ8650形8653

私有貨車

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タキ8600形
タキ8700形

 番号
ロット表

タキ8651
タキ8655

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特別編564
特別編566

●積荷
●構造

入口


 タキ8650形30トン積潤滑油添加剤専用車では既に8651を紹介したが、今回は全くスタイルの異なる8653を取り上げる。

 オロナイトケミカルと花王の合弁会社であったカロナイトでは、製品である潤滑油添加剤の輸送に35トン車であるタキ11800形を用いていたが、保安度向上による自重増で35トン積での増備が不可能となった。このため昭和51年以降の増備車は30トン車の本形式となった。

 タキ8653は52と共に昭和51年11月日車で製作された。なお昭和54年に増備された54,55は同一形態だが川崎製となっている。
 積荷は鉱物油に溶解されているため、粘度を下げるため90℃に加熱して積込む。このため本形式の保温・加熱装備は充実したものとなっていた。

 タンク材質は耐候性高張力鋼、寸法は直径1,900mm・長さ11,600mmで、床面には高粘度の積荷ゆえ1/100の傾斜板が設置されていた。タンク下半分の外壁には、鋼管を用いた外部加熱管があり、その周囲には厚さ150mmのグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセがあった。タンク上部には窒素封入装置、側面には温度計のカバーがあり、受台の一部には断熱のためFRPが用いられていた。
 台枠は平形で、長さ12,800mm・軸距9,400mm、ブレーキ装置はKD+手、台車は軽量車用のTR225−2であった。

 所有者はカロナイト化学KKて、常備駅は末広町であった。常備駅は昭和62年3月に千鳥町に移り、平成元年3月には日本石油輸送KK所有・名古屋南港駅常備となった。平成9年3月に郡山駅常備に移動し、平成11年8月に廃車となった。


●同一専用種別 タム9100形9100   昭和42年新潟製で、15トン積。

           タキ11800形11800  昭和43年新潟製で、35トン積。


■主要諸元
製造年   昭和51年11月
製造所   日車
設計比重  1.0
タンク容積  30.0m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドームレス
       底面1/100傾斜
タンク材質 耐候性高張力鋼
タンク板厚 胴板8mm・鏡板8mm
タンク直径 1,900mm
タンク長さ  11,600mm
熱絶縁   グラスウール厚さ150mm
加熱管   タンク外周
●荷役方式
荷役方式  上入れ下出し式
●下廻り
台枠形式   平形
長さ       12,800mm
BC間距離   9,400mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KD254形空気
台車      TR225−2

タキ8650形8653の写真

【写真1565】 タキ8650形8653 昭和56年7月18日 塩浜操駅にて P:吉岡心平


【特別編565】050210作成R4A、070709R4A2、081222R4BY、091210作成R4B。