吉岡心平のマーク

タキ20500形20500

私有貨車

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タキ20400形
タキ20600形

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ロット表


タキ20501

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特別編550
特別編552

積荷
●構造

入口


 今回は、化成品輸送用のキセ付35系を取り上げる。

 タキ20500形は35トン積石炭酸専用車で、昭和45〜平成4年に3ロット21両が製作された。メーカーは全て日車であった。

 タキ20500は昭和45年12月日車本店製で、昭和46年3月迄の間に12迄の13両製作されたロットのトップである。

 設計比重は1.05で、タンク容積は33.3mであった。タンク体は35系特有のC3タイプ異径胴で、積荷による腐食を防ぐためステンレス鋼製となった。タンク周囲に厚さ175mmのウレタン断熱材からなる保温キセを持つため、寸法は両端直径1,700mm・中央直径2,150mmと細く、長さは11,080mmであった。タンク体の下半分全面には、角形鋼管からなる外部加熱管が溶接

されていた。
 荷役方式は液入管と吐出管を用いた上入れ下出し方式だが、液入管が太く2本あるのが変わっていた。写真でマンホールの前後に見える筒状のものがそれである。なお石炭酸専用車の例により安全弁は装備していない。
 今回紹介した写真はこの時代のものだが、その後、断熱材の劣化によるタンク体腐食で、タンク体を新品に交換したため、外観は大きく変化した。
 台枠は35系標準の中梁省略タイプで長さは12,030mm、ブレーキ装置は両側+KE形空気、台車はTR41Cだったが、タンク体更新時にTR41DSに改造されている。

 落成時の所有者は三井東圧化学KK・常備駅は笠寺であった。昭和59年6月に日本陸運産業KKに移籍し、越中島駅常備となってからは、各種化成品の輸送に使用されたが、平成9年3月廃車となった。


■主要諸元
製造年   昭和45年12月
製造所   日車本店
設計比重 1.05
タンク容積 33.3m3
タンク形態 異径胴(C3)形ドームレス
●上廻り
タンク材質 ステンレス鋼(SUS304)
タンク板厚 胴板6・鏡板8mm
タンク両端直径 1,700mm
タンク中央直径 2,150mm
タンク長さ 11,080mm
熱絶縁   厚さ175mmウレタン
付帯設備 外部加熱管
●荷役方式
荷役方式 上入れ下出し式
●下廻り
台枠形式   35系標準
台枠長さ   12,030mm
BC間距離  8,730mm
留置ブレーキ 両側
空気ブレーキ KE305形
台車      TR41C形

タキ20500形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
20500〜20512 S4512〜4603 日車本店 三井東圧化学KK
1A 20500〜20512 S5104▲ 日車▲ 三井東圧化学KK
20513〜20517 S4909 日車 石油荷役KK
20518〜20520 H0412 日車 KKニヤクコーポレーション

タキ20500形20500の写真

【写真1551の1】 タキ20500形20500 P:吉岡心平所蔵

タキ20500形20510の写真

【写真1551の2】 タキ20500形20510 P:豊永泰太郎撮影

【豊永さんの貴重な写真を提供して頂きました】


【特別編551】041217作成R4、050412R4A、060602ロット表追加、060731ロット表R2、060816リンク変更、
070702R4A2、070831ロット表R3、080806R4BY、100904R4B、130908諸元追加+R4C。