吉岡心平のマーク

タ1500形1501

私有貨車

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▲タ1450形
タ1530形

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ロット表


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特別編549
特別編551

積荷
●構造

入口


 今回は、初期の二硫化炭素専用車を紹介しよう。

 タ1500形は12トン積二硫化炭素専用車で、大正14年から昭和7年にかけて8両が製作された。トップナンバーは我国初の二硫化炭素タンク車で、ア2515M44形として誕生後、昭和3年の改番でタ1500となった。この積荷としては、世界的に見ても早い部類に属し、当時の我国レーヨン工業の勃興の様が伺える。

 タ1501は第二号車として、昭和4年12月新潟で製作された。3個並んだドームが特徴だったトップナンバーとは構造が大きく異なり、より一般的なスタイルとなった。
 タンク容積は9.7mで、サイズ的にはタム300・400形とほぼ同寸である。

 タンク体は鋲接だが、周囲にコルク断熱材を用いたキセがあるため判りにくい。ちなみに保冷キセ付の車両としては、最も初期のものの一つと思われる。
 台枠は平形で軸距は3m、走り装置は当時流行ったコマ付のシュー式であった。

 落成時の所有者は日本硫黄KK・常備駅は安治川口であった。戦時中のレーヨン工業の軍需転換により失職し、昭和19年7月に日本航空機材KK所有・宇治駅常備となり、専用種別も「ブタノール及びアセトン」と変った。敗戦後は昭和24年6月に宇治駅常備のまま日本レイヨンKK所有となり、昭和32年9月にようやく二硫化炭素専用に戻った。昭和41年6月には東洋化成工業KKに移籍し、常備駅も五分市に移ったが、ヨンサントウ直前の昭和43年9月に廃車となった。


【特別編550】041210作成R4、050412R4A、070910R4A2、080202ロット表R3追加、090102R4BY。


タ1500形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
1500 T14 新潟 ア2515M44 2515 日本硫黄KK
1501 S0412 新潟   日本硫黄KK
1502 S0508 新潟 帝国硫黄工業KK
1503 S0603 新潟 日本硫黄KK
1504 S0606 汽車 東洋硫黄工業KK
1505 S0701 汽車 関西硫黄工業KK
1506 S0710 新潟 帝国硫黄工業KK
1507 S0712 新潟 福井ニ硫化炭素会社

タ1500形1501の写真

【写真1550】 タ1500形1501 P:吉岡心平所蔵