吉岡心平のマーク

タキ20600形20600

私有貨車

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タキ20500形
タキ20700形

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特別編675
特別編677

●積荷
●構造

入口


 嘗て35系タンク車と言えば、「邪魔だ退け」的存在だったが、中には珍品も存在した。今回紹介するタキ20600形もその一つで、小生にとっては最後まで残った未撮影形式の一つである。

 タキ20600は35トン積脂肪酸専用車で昭和46年3月日立で製作された。タキ9400形30トン車の増備として登場したが、5トン増積するためキセ付35系タンク車となったものである。ちなみに一形式一両であった。

 設計比重は0.84・タンク容積は41.6mで、値はタキ45000形と同じだが、重保温タイプのキセを装備したため、外観は全く異なる。
 タンク体は葉巻型のC3タイプ異径胴で、タンク材質はステンレス鋼、寸法は両端直径1,800m

m・中央直径2,250mm・長さは12,500mmと異様に細くて長い。これはタンク周囲にウレタン150mmに上る極厚の断熱キセを有するためで、内部には加熱管装置を持つ。なお高温となる積荷でウレタンを使用した例は珍しい。
 台枠は35系特有の中梁省略タイプで、長さは13,300mm・BC間距離は10,000mm、ブレーキはKE形空気+手、台車はTR41Cであった。

 所有者は日本石油輸送KK・常備駅は東高島であったが便宜置籍で、実使用者は花王石鹸・基地は和歌山操駅であった。その後、常備駅は平成元年3月に郡山に移動した。晩年はラテックスの臨専となり、写真も奥野谷浜のJSR運用に入っていた際のもので、劣化したキセ外被が痛ましい。平成12年6月に廃車となった。


■主要諸元
製造年   昭和46年3月
製造所   日立
設計比重 0.84
タンク容積 41.6m3
タンク形態 異径胴(C3)形ドームレス
●上廻り
タンク材質 ステンレス鋼(SUS304)
タンク板厚 胴板6・鏡板8mm
タンク両端直径 1,800mm
タンク中央直径 2,250mm
タンク長さ 12,500mm
熱絶縁   厚さ150mmウレタン
付帯設備 ステンレス製加熱管
●荷役方式
荷役方式 上入れ下出し式
●下廻り
台枠形式   35系標準
台枠長さ   13,300mm
BC間距離  10,000mm
留置ブレーキ 両側
空気ブレーキ KE305形
台車      TR41C形

タキ20600形20600の写真

【写真1676】 タキ20600形20600 撮影日不明 神栖駅にて P:吉岡心平


【特別編676】060603作成R4A、070702R4A2、080807R4BY、100904R4B、130917諸元追加+R4C。