吉岡心平のマーク

シム1000形1000

私有貨車

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シム200形
シム2000形

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特別編534
特別編536

積荷
●構造

入口


 今回は、私有大物/車運車の中でも薄幸の形式だったシム/クム1000形を取り上げる。

 シム1000形15トン積大物車は、昭和37年8月に日車本店で製作された。実態は新車自動車輸送用の車運車で、昭和40年12月には「クム」に改番されている。
 自動車会社が自社の新車輸送用として製作した私有貨車としては本邦初であった。

 本車の車体構造は荷役方法と密接な関連があるため、まず後者を理解することが必要だ。
 それでは積込のプロセスを見てみよう。積荷は「パプリカ」6台で、平地上に並べた専用パレット(車台)に一台づつ自走に搭載・固定される。次に

クレーンを用いてこのパレットを、前後2個に分かれたラックコンテナに、上段1台・下段2台の計3台づつ積載する。最後にラックコンテナをクレーンで車体上に積載、緊締してようやく積込は完了となる。当然ながら、荷卸しはこの逆である。
 このように本車の荷役には広大な場所とクレーンが必須であり、普及しなかったのも頷ける。
 従って車体に相当する部分は台枠以下で、一種のコンテナ車と考えてよいだろう。
 台枠は平形、走り装置は2段リンク式であった。

 所有者はトヨタ自動車販売KK・常備駅は刈谷てあった。以上のような理由により、一両の試作に留まり、量産には移行せずに終わった。本車も誕生から7年後の昭和43年11月に廃車となった。


【特別編535】041023作成R4、050411R4A、081224R4BY。

シム1000形1000の写真

【写真1535】 シム1000形1000 昭和38年1月 芝浦駅にて P:鈴木靖人/堀井純一所蔵

【堀井さんから故鈴木さんが撮影された、貴重な写真を提供して頂きました】

本形式の写真で、営業中と思われるものは珍しい。