吉岡心平のマーク

タサ700形711

私有貨車

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タサ600形
タサ1000形

 番号
[ロット表]


タサ757

 ページ
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特別編928
特別編930

積荷
●構造

入口


 昭和5年、海軍軍需部ではガソリン輸送用に6両の20トン積ボギー車をメーカー3社で2両づつ競作した。これまでタサ700形は石油類の専用車だったが、今回の車両達も同じくタサ700形に類別されたため、これが本形式で初のガソリン専用車のグループとなったのである。

 タサ711は712と一緒に昭和5年4月川崎で製作された。戦前に川崎が製作したタンク車は極く少数だが、本ロットはこの数少ない例のひとつであっる。

 タンク体は鋲接で、落成時はタンク周囲に保冷用のキセを装備していたが、後に写真のように撤去されている。タンク体と台枠間の固定方法は、

繋ぎ板を用いた一体化方式であった。
 荷役方式は通常の上入れ下出し方式だが、黎明期のガソリン輸送車だけあって、床下には弁装置を纏めた奇妙な装置が見られる。
 台枠は平形で、これまでのタサ700形がトラス棒を有していたことから考えるといささか革新的であった。ブレーキはKD形空気+手、台車は戦前の標準形式であるTR20であった。

 落成時の所有者は横須賀海軍軍需部・常備駅は田浦であった。昭和16年4月には塩浜駅に移動した。敗戦後は一旦連合軍で使用された後、日本石油運送KKが購入し象潟駅常備となった。その後は沼垂駅常備を経て、昭和46年1月に廃車となった。


タサ700形711の写真

【写真1929】 タサ700形711 P:吉岡心平所蔵


【特別編929】080915作成R4B。