吉岡心平のマーク

タキ7300初代形27359

私有貨車

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タキ7250形
▼タキ7300二代形

 番号
解説

タキ27336
タキ27381

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特別編530
特別編532

積荷
●構造

入口


 タキ7300初代形は35トン積のセメント専用タンク車で、それまでホッパ車が主体だった粉体輸送用車を、タンク車中心に転換する上で嚆矢となった形式である。元々は川崎の開発だが、昭和38年から日立が参入し、昭和34〜41年にかけてこの2社で523両が製作された。

 タキ27359は昭和38年10月日立製で、同社製タキ7300形の初ロット(タキ27358〜27372)に属する。たまたま同社発行のパンフレットである「日立35トン積セメントタンク車」には、その雄姿が掲載されていた。

 外観・構造は川崎製の影響を強く受け、細部のアレンジ以外はほぼ同一と言って良い。設計比重は1.25、タンク容積は28.0mであった。

 普通鋼製のタンク体は、直円筒を中央で水平に切り裂き、隙間に三角形の側板をはめ込んだようなスタイルのFK2形異径胴である。板厚は胴板が上部6mm・底部8mm、鏡板は9mmであった。
 荷役装置は例によってエアスライド方式だが、興味深いのは積込口である。写真1ではタンク上部に5個見えるが、落成時の写真2では4個しかないので、大阪セメント特有の5個並んだ積込口は、後天的に増設されたものと思われる。
 台枠は中梁省略形で、長さは10,000mm・BC間距離は6,700mmであった。ブレーキはKD+手、台車はTR41Cであった。

 所有者は大阪セメントKK・常備駅は近江長岡で、一生を変化なく過ごし、昭和61年10月廃車となった。


タキ7300初代形27359の写真

【写真1531の1】 タキ7300初代形27359 昭和57年10月11日 敦賀駅にて P:吉岡心平

タキ7300初代形27359の写真

【写真1531の2】 タキ7300初代形27359 P:日立製作所パンフレットより 吉岡心平所蔵


【特別編531】041009作成R4、050326R4A、070624R4A2、090920R4BY、130919R4C