吉岡心平のマーク

シキ35形36

私有貨車

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シキ25形
シキ40形

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[ロット表]


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特別編529
特別編531

積荷
●構造

入口


 変り種の多い大物車の中でも、シキ35形はその最右翼だ。

 シキ35形は昭和35年12月三菱で2両製作された大物車で、用途は自社で製作した化学ブラントの反応筒など、長尺物の輸送用であった。

 本形式の特徴は「回転枕木式」とでも称すべきその構造にある。具体的には常に2両一組で使用され、積荷は車体中央付近にある回転枕木に、車両間を掛け渡して積載する。この観点から見ると、2車体で1両の70トン積大物車として附番し、「前・後」で区別するのも一法だったと思われる。

 閑話休題、この方式は大物車の歴史では最古のもので、古くは「鉄桁運搬車」などと呼ばれ、シキ1初代形もこれに属する。これら古典形式では回転枕木が床上に位置したため、積荷の重心は高くなり、車両限界による制約も大きかった。

 本形式はこれらの問題を回避するため、回転枕木の心皿部分を側梁間に落し込み、枕木高さを低くした点が目新しい。
 車体(=台枠)は全鋼製の溶接構造で、回転枕木を床面以下に落し込むため中梁省略タイプとなった。長さは13,500mm・BC間距離は10,000mmである。側梁は魚腹形だが、回転枕木の心皿位置は車体中央と1位妻寄りの2箇所に可変出来る構造とされたため、前後で傾斜部の形が非対称となり、他に例の無い変わったスタイルとなっている。回転枕木は中央が凹んだ形で、端部には積荷を緊締するためのバンドが固定出来るようになっていた。ブレーキはKD+手、台車はTR41Cと標準的であった。

 落成時の所有者は新三菱重工業KK・常備駅は糸崎であった。会社名は昭和40年2月に合併により三菱重工業KKとなった。昭和59年1月に廃車となった。


シキ35形36の写真

【写真1530】 シキ35形36 P:吉岡心平所蔵


【特別編530】041001作成R4、050411R4A、090113R4BY、131023R4C。