吉岡心平のマーク

タム5000形5096

私有貨車

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タム4900形
タム5100形

 番号
[ロット表]

タム5094
タム6000

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特別編528
特別編530

積荷
●構造

入口


 先日、5本足の鳥籠手摺を持つ「味タム」のリクエストを頂いた。味タムはかつて私有貨車セミナーで解説し尽くしたと思っていたが、両数が多いこともあって個体間の差異まで触れたとは言えないのが実態である。

 タム5096は、昭和28年10月に汽車東京で製作された5094〜98の内の一両である。当時は味タムが急速に勢力を拡大した時期であり、汽車と新潟で大量の増備が続けられていた。

 問題のタンク手摺は鳥籠形で、タンク踏板のサイズに合わせたため、梯子から左右の大きさが異なる。これは踏板自体が5本足で車体中心から非対称に配置されていた事が原因で、ドームは中央部に横一線の溶接跡のある所謂「ハラキリドーム」で、鏡板にも水平に溶接跡が見える。

 これらは、すべて当時の汽車製に特有のものであった。落成時、ドーム頂部は通常のタイプで、液出管は踏板を挟んだタンク上部に配置されたため、タンク踏板は液出管側に長くなっていた。後年のタンク体更新では、ドーム上半分を撤去し液出管付のフランジ構造品に交換した。これがドーム中央の溶接跡の原因で、長い踏板は無用の長物となったのである。

 所有者は味の素KK・常備駅は浜川崎であった。常備駅は昭和39年3月に水江町、同年5月に塩浜操と変わったが、専用線の場所が変化した訳ではなく、新駅開業により専用線の起点が変わったことによる。専用種別は色々と変遷したが、昭和53年2月にはアミノ酸専用となった。貨物駅の廃止により役目を終えて、昭和62年6月に廃車となった。


【特別編529】040929作成R4、041017リンク追加、050422R4A、070714R4A2、090108R4BY。

タム5000形5096の写真

【写真1529】 タム5000形5096 昭和56年8月16日 塩浜操駅にて P:吉岡心平