吉岡心平のマーク

タ600形856

私有貨車

 形式
索引

タ580形
タ900形

 番号
[ロット表]

タ842
タ857

 ページ
索引

特別編527
特別編529

積荷
●構造

入口


 タ600形は10トン積石油類専用車として認知されているが、大半は昭和3年の大改番で10トン積の石油系タンク車を纏めた形式である。当時は灯軽油を輸送するタンク車には、専用種別は定められていなかった。いわばタンク車のデフォルトであった訳である。

 タ600形となってからは、既に10トン車の時代では無くなっていたため新製車は僅かで、三菱商事のような新規参入メーカーが主体であった。

 タ856は855と一緒に昭和6年4月に日車本店で製作された。専用種別は「重油」で、本形式では初めての専用種別である。

 タンク体は鋲接で、タンク固定方式はセンタアンカ式だが同方式では最も初期のものの一つだ。
 台枠は平形だが、走り装置はコマ付のシュー式で、昭和初期の貨車に特有のものであった。

 落成時の所有者は三菱商事KK・常備駅は浪速から昭和10年7月に愛電築港に移動したが、昭和13年12月に浪速に戻った。昭和16年2月に専用種別は石油類となった。同年4月に石油共販KKに移籍したが、戦後は三菱石油KKに戻った。その後の常備駅は扇町を振り出しに、昭和32年11月手宮、昭和41年1月塩釜埠頭、同年11月に雄別埠頭と移った。ヨンサントウ以降は「ロ」車となり、昭和47年7月に廃車となった。


【特別編528】040922作成R4、050422R4A、070726R4A2、080718R4BY。

タ600形856の写真

【写真1528】 タ600形856 昭和46年9月16日 本輪西駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】

特別編513のタサ500形553(昭和5年浅野製)と良く見比べて頂きたい。