吉岡心平のマーク

タ600形842

私有貨車

 形式
索引

タ580形
タ900形

 番号
[ロット表]

タ820
タ856

 ページ
索引

特別編440
特別編442

積荷
●構造

入口


 なんだ、古いタンク車かあ。似たのが一寸前に出てたぞ・・・ などと言わずに、少しお付き合い頂きたい。
 タ600形の全貌については、タ638の項で紹介したので、ここでは省略するが、今回取り上げたタ842は、実は2車現存車の改番車なのである。

 タ842はタ642二代として、昭和4年10月新潟でタ640二代〜642二代の一員として製作された。編入当時は、タ638の仲間がタ640初代〜642初代として在籍していたため、明らかな2車現存であった。この間違いは直ぐに発見され、昭和5年3月にタ840〜842に訂正されている。
 当時は既にタムやタサが多数製作されており、10トン車の増備は珍しいが、これはユーザーの三菱商事が新規参入組だったので、小口用の小型車を、あえて製作したものと解される。

 タンク体は普通鋼を鋲接組立したもので、タ638のものに近い。またタンク体と台枠の結合も繋ぎ板を用いた一体化方式と、同じ方法であった。
 台枠は、自動連結器の時代となってから製作されたため、タ638とは全く異なり、側梁より中梁が強化された作りとなっている。写真から当時の2軸タンク車に特有な152mmチャンネルを用いた華奢な側梁と、担バネ上の「駒」が判るだろうか。

 所有者は三菱商事KK・常備駅は浪速だったが、一月後に常備駅は弁天橋に移った。昭和10年3月に扇町に移り、昭和16年4月から暫くの間は、例によって石油共販/石油配給に統合されたが、戦後は三菱石油KK・扇町駅常備に戻った。昭和32年10月に塩釜埠頭駅常備となり、長らく愛用されたが、ヨンサントウを目前にした昭和43年9月に廃車となった。


【特別編441】031201作成R4、031205リンク追加、050429R4A、070726R4A2、090311R4BY。

タ600形842の写真

【写真1441】 タ600形842 P:吉岡心平所蔵