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タキ4200形14286

私有貨車

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タキ4150形
タキ4600形

 番号
解説

タキ14278
タキ14289

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特別編523
特別編525

積荷
●構造

入口


 リクエスト頂いたのはタキ4200形カセイソーダ専用車の14285だが、今回はこれと同一ロットの14286を取上げる。

 タキ14286は昭和43年5月富士重で、14284〜86の3両ロットとして製作された。
 このロットが変わっているは、タンク踏板が大型のためタンク梯子が端に寄っている点だ。これは両側ブレーキのブレーキ梃子を車体中央部に設けたため、その手摺とタンク梯子とが干渉し、梯子を車端に追いやったのが原因だ。つまりタンク踏板が大型化したのは、因果が逆だった訳だったとになる。
 ちなみにこのような構造を採用したのは富士重製ではこのロットとタキ14290〜96で、他社では本ロットと競作された東急製のタキ14287〜89だけであった。
 ファン的には好ましいスタイルだったこの設計も、無駄が多かったようで、昭和43年9月製のタキ24204以降は再び構造を変更し、梯子が真ん中に戻った。なお富士重製でも、初めて両側ブレーキを採用したタキ14269〜74は通常の構造であったことを付記しておく。

 設計比重は1.5で・タンク容積は23.4m3であった。
 タンク体は普通鋼製で、寸法は直径1,950mm・長さ8,650mmであった。ちなみにカセイソーダ液の比重はメーカーにより1.45〜1.5の開きがあり、比重1.5では比重1.45よりタンク体が約300mm短かくなる。基本設計は比重1.45で成立するように考慮されていたようで、比重1.5の本ロットは、台枠に比べるとタンク体の長さが短いため、デッキ長さが過大のように見える。
 さて、タンク内面は厚さ3mmのゴムライニングが施され、周囲には厚さ50mmのグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセがあった。富士重製のカセイソーダ専用車は一時期カマボコ形のキセを好んだ時期があったが、本ロットから通常の円筒形キセに戻ったことも覚えておいて良いだろう。
 台枠は平形で、長さは9,900mm、BC間距離は6,600mmであった。台車はTR41Cから第二次台車改造でTR41DSとなっている。

 所有者は呉羽化学工業KK・常備駅は勿来であった。タキ14286を含む本ロット3両は、平成14年3月にまとめて廃車となった。


タキ4200形14286の写真

【写真1524】 タキ4200形14286 昭和49年5月14日 越中島駅にて P:吉岡心平


【特別編524】040901作成R4、050403R4A、070924R4A2、090108R4BY、140108R4C。