吉岡心平のマーク

タム400形1613

私有貨車

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タム300形
タム500形

 番号
[ロット表]

タム1605
タム1619

 ページ
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特別編509
特別編511

積荷
●構造

入口


 豊永写真の3回目は「通好み」のタム400形濃硫酸専用車だ。

 ネガでこの車両を見た時は、大型の受台から川崎製のタムだと思っていた。ところがスキャンしてびっくり! 売台は何とも奇妙な形で、どうやら鋳物のようにも見える。台枠は側梁が細く、走り装置はリンク式でなくシュー式で、更にバネ吊の下に嵩上げ用のコマが入っている。これは自連採用から間もない時期(大正14〜昭和3年)特有のものだ。一方タンク体は全溶接でドームとのバランスも悪い。 とこかく今まで見たことのないタンク車であった。

 そこで車歴を紐解いたところ、本車はタ1370形1371を昭和27年3月西部機工で改造したクルマであることが判明した。

 タ1370形は昭和3年11月に三池製作所で2両製作された12トン積希硫酸専用車で、半端な形式だがれっきとした新製車であった。

 タ1370形時代のタンク体は鋲接だったから、写真のタンク体は改造時に新製されたものだ。問題なのはタンク受台が新製か流用かだが、残念ながら種車時代の写真が無いので判然としない。
 台枠は、構造面の特徴と製造時期とが良く合致しているので、タ1371の流用として良いだろう。
 ところで改造メーカーの「西部機工」ってどのような会社なのだろう? 現時点のデータでは、タンク車はこれが唯一の作品のようだ。有識者のご教示をお待ちしたい。

 タ1371として落成時の所有者は三井鉱山KK・常備駅は伊田であった。昭和20年6月〜23年10月は統制会社の所有となったが、その後は三井鉱山KKに戻り大牟田駅常備となった。昭和25年7月には同駅常備のまま、神岡鉱業KK所有となった。
 昭和27年3月にタム1613となってからは、会社名は三井金属鉱業KK・常備駅は猪谷・神岡口と変遷し、ヨンサントウを控えた昭和43年9月に廃車となった。


タム400形1613の写真

【写真1510】 タム400形1613 昭和39年8月2日 岐阜駅にて P:豊永泰太郎

【豊永さんの貴重な写真を提供して頂きました】


【特別編510】040728作成R4、050307R4A、070612R4A2、081219R4BY、101001R4B。