吉岡心平のマーク

タム1700形1708

私有貨車

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タム900形
タム1750形

 番号
ロット表

タム1704

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特別編510
特別編512

積荷
●構造

入口


 豊永写真特集の4回目はタム1700形である。

 タム1700形は戦後混乱期に誕生した濃硫酸専用の戦災復旧車で、昭和23〜24年に東洋レーヨンで23両が製作された。荷重は13までが14トン・14以降は15トンであった。

 タム1708は昭和24年3月東洋レーヨン製で、戦災復旧車のためロットは明確でないが、1706〜13の8両が纏まっていたように思える。

 本形式は、戦災10トン貨車の小型台枠に有り物のタンク体を組合せたのがその由来で、タンク容積が小さかったため14トン積とされ、新形式になったと考えられていた。
 ところが本車のタンク体は、写真の通り全溶接の新品だ。これなら敢えて14トン積の必要がな

く、次ロットからは15トン積にサイズアップしたと言うのが、荷重変更の真相のようだ。
 通常より床面が50mm低い台枠も見所の一つだ。これは昭和初期に製作された10トン貨車(ワ20000・ツ2500・ト20000)に共通の特徴で、中梁を250mmチャンネルから200mmにダウンサイズして実現した。側梁は相変わらず150mmチャンネルだが、シュー式のコマを除去することで高さを低減した。連結器収納部が一段盛り上がっているのが良く判るのも、床板のないタンク車のお陰である。

 落成時の所有者は東洋レーヨンKK・常備駅は石山であった。3ケ月後の昭和24年6月に日本レイヨンKKに売却され宇治駅常備となった。その後常備駅は大樹寺に移り、これまた昭和43年9月に廃車となった。


【特別編511】040729作成R4、050307R4A、070628R4A2、081207R4BY、081207R4BY。

タム1700形1708の写真

【写真1511】 タム1700形1709 昭和39年8月2日 美濃大田駅にて P:豊永泰太郎

【豊永さんの貴重な写真を提供して頂きました】