吉岡心平のマーク

ホキ9800形9800

私有貨車

 形式
索引

ホキ9500形
ホキ10000形

 番号
ロット表


ホキ9836

 ページ
索引

特別編498
特別編500

●積荷
●構造

入口


 ビールの主原料である麦芽の輸送用ホッパ車は、ホキ6600形25トン車がその嚆矢である。その後、これを大型・汎用化したホキ2200形が国鉄貨車として量産されたが、人気の高かった同形式の配車不足を解消するため、30トン積の私有貨車として誕生したのが本形式であった。

 ホキ9800形は30トン積麦芽専用車で、昭和47〜56年に55両が全て日車で製作された。

 ホキ9800は昭和47〜48年にかけて33両製作された第一ロットのトップである。

 外観・構造はホキ2200形に酷似するが、麦芽の設計比重が0.55と低いため、ホッパ容積を約一割拡大し55mとした。このためホッパ断面は、下腹部を張り出した形状となっている。
 普通鋼製のホッパ体は中央の隔壁で2分割され、内面は汚染防止のためエポキシ樹脂塗料で

塗装されていた。ホッパ底面の傾斜は35度と比較的緩い。側面と妻面は保冷用の遮熱板で覆われている。なお塗色は黒で登場後、昭和53年にホキ2200形と同じクリーム色4号に変更された。
 下廻りはホキ2200形に順ずるが、台車はコストダウンのためTR41系に変更した。高重心のためTR41Dを計画したが、ホキ2200形の台車がレジンシューを用いていたため、TR41系で初めてこれを採用し、形式もTR41Eに変わった。なお当初はローリングが激しく、保守が大変だったようで、ホキ9300形がいち早くTR225を試用した原因となっている。

 落成時の所有者は麒麟麦酒KK・常備駅は入江であった。本形式では変わった常備駅だが、実質的には他車と一緒に山下埠頭・横浜本牧を基地として倉賀野・仙台港などに運用されていた。その後、貨物駅統合により新興駅常備となり、平成7年6月に廃車となった。


●同一系列 ホキ8300形8300 昭和49年日車製、22系ホッパ車の一員。

        ホキ9300形9300 昭和49年日車製、22系ホッパ車の一員。

        ホキ2200形2201 ホキ2200形の試作グループ。

●関連形式 ホキ6600形6607 ホキ2200形の父で、本形式の祖父に当たる形式。


【特別編499】040623作成R4、050413R4A、060611ロット表追加、060720ロット表R2、070628R4A2、070902ロット表R3、090621R4BY。


ホキ9800形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
9800〜9832 S47xx〜4801 日車 キリンビールKK
9833〜9854 S5604〜5605 日車 キリンビールKK

ホキ9800形9800の写真

【写真1499】 ホキ9800形9800 昭和63年3月6日 本牧操駅にて P:吉岡心平