吉岡心平のマーク

ホキ9300形9300

私有貨車

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ホキ8800形
ホキ9500形

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ロット表


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特別編325
特別編327

●積荷
●構造

入口


 今回は、ホキ2200形の弟分に当たるホキ9300形を取り上げよう。

 ホキ9300形は我国唯一のコークス紛専用車として、昭和49〜60年に5両製作された。積荷は「炭素の粉末」で、金属の還元剤として用いられ、ホキで輸送されたものは輸入品だったようだ。

 ホキ9300と01は、昭和49年7月日車で製作された。外観からも判るように、国鉄のホキ2200形穀物輸送用ホッパ車から派生した「22系ホッパ車」の一員である。元祖であるホキ2200形は、特急貨物列車への連結を考慮したため、85km系台車であるTR207・211系を装備し、自重増のため荷重も30トンであった。一方、22系ホッパ車であるホキ8300・9800形と本形式では、輸送コスト低減のため荷重は35トンとし、最高速度は75km/hで十分なので、製作コストの安いTR41系台車を採用したこと、等の相違がある。

 車体廻りは2年先輩のホキ9800形麦芽専用車に準じ、ホッパは隔壁で2分割され、各々当り2個の丸型積込口と1個所の吐出口が設置されていた。遮熱板は積荷の性質上不要のため、最初から省略されている。
 台枠以下もホキ2200形と同一だが、「私有貨車」のため端梁はアンチクライマー形に加工されている。国鉄のホキは最後まで未加工なのに・・・
 台車は当初、ホキ9800形と同じTR41E装備で計画されたが、同形式が車体のローリングに苦慮したため、大容量の枕バネ系を収納する台車として、試作中だった「私有貨車標準台車」TR225を、他形式より約一年先駆けて装備した。

 所有者は伏木海陸運送KK・常備駅は伏木であった。運用先は塩浜の石原産業KKで、用途はチタン精錬と思われる。晩年は3ロット5両からなる全車が、伏木駅構内に並んで長期留置されていたが、平成8年3月にまとめて廃車となった。


●同一系列 ホキ8300形8300 昭和49年日車製、22系ホッパ車の一員。

        ホキ2200形2201 ホキ2200形の試作グループ、22系の元祖。

●関連形式 ホキ6600形6607 ホキ2200形の父で、本形式の祖父に当たる形式。


ホキ9300形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
9300,9301 S4907 日車 伏木海陸運送KK
9302 S5409 日車 伏木海陸運送KK
9303,9304 S6004 日車 伏木海陸運送KK

ホキ9300形9300の写真

【写真1326】 ホキ9300形9300 昭和54年1月14日 塩浜駅にて P:吉岡心平


【特別編326】021227作成、031219R4、050409R4A、070112ロット表R2、070704R4A2、071030ロット表R3、100411R4B。