吉岡心平のマーク

タム3250形3285

私有貨車

 形式
索引

タム3200形
タム3400形

 番号
[ロット表]

タム3281
タム3292

 ページ
索引

特別編470
特別編472

積荷
●構造

入口


 戦災復旧車と共に、戦後混乱期のタンク車を彩ったものに、タム100形の改造転用車があった。

 タム3250形については、既に何回も紹介したので詳しくは述べないが、15トン積ベンゾール専用車として83両の多数が製作された形式である。

 タム3285は昭和26年2月造機でタム106を改造した車両である。種車はタム100形濃硝酸専用車で、昭和15年6月大阪鉄工所で製作された104〜107のうちの一両で、我々が「タム100」と聞いた時、思い浮かべるスタイルを確立したロットとして記憶される。所有者は海軍火薬支廠で大河原駅の常備であった。
 敗戦により軍資産は大蔵省の所管となったが、タンク車も同様に扱われたようで、車籍はなくなり、両数も計上されなくなった。ところが昭和24年頃になると、これらの車両は何回かに亘って民間に放出された。タム106は107と共に昭和24年

6月に三油興業KKに払い下げられ、東室蘭駅常備として当時「傾斜生産方式」により活況を呈していた製鉄業界の副産物であるベンゾール輸送に転用された。ところがいかにも用途に適さず、本格的な改造が計画されたのである。

 改造では台枠以下を転用し、タンク体は普通鋼製の大型のものを新製した。このため外観は同社製タム4000形と酷似している。特徴的なのはタンク受台も流用した点で、元々のタンク体が細いため、巻き込まれたタンク締金が特異的である。

 改造時の所有者はタール製品取扱業協同組合・常備駅は西八幡であった。常備駅は昭和34年3月上戸畑、昭和53年10月西八幡と変わり、同年11月に廃車となった。尚、タム3250形では3287〜89が欠番だが、これは本車と同様の改造が予定されていたが、事情により取りやめになったため生じたものである。


タム3250形3285の写真

【写真1471】 タム3250形3285 昭和46年頃 新鶴見操車場にて P:吉岡心平

後続車のタ1044もタム100形1146の改造車で、いわば兄弟車と言う事が出来よう。


【特別編471】040224作成R4、050425R4A、070829R4A2、090414R4BY、110306R4B。