吉岡心平のマーク

タム3200形3201

私有貨車

 形式
索引

タム3100形
タム3250形

 番号
ロット表


タム3203

 ページ
索引

特別編175
特別編177

積荷
●構造

入口


 敗戦後、私有貨車の増備が復活するのは昭和23年後半になってからだが、昭和25年頃までは戦災復旧車と呼ばれる車両達が大半を占めていた。今回取り上げるタム3201もその一例だが、台枠でなくタンク体を再利用した点は、戦災復旧車の中でも、いささか珍しい例である。

 タム3201は昭和24年8月関東車両で製作された。戦災タンク車のタンク体をサルベージし、得体の知れない台枠に搭載した戦災復旧車である。  タンク体は実容積とその特徴ある形態から、昭和10〜12年新潟製のタム500形と判別される。比較のため、写真2に昭和12年8月新潟製のタム549を掲載しておこう。
 タム500形の車歴を紐解けば、該当車のうち戦災で失われたのはタム545と551の2両だけだ。タム545の廃車状況は詳らかではないが、タム551は昭和20年8月の日石秋田製油所の爆撃の際、専用線で被災し廃車されたことが明らかとなっ

ている。なおタム551の台枠は、タム200形278に引き継がれ、巡りめぐってタム5600形5601に化けたことを付記しておこう。
 台枠は、2軸タンク車では大型に属するタム500形のタンク体を積載しても、まだ前後に余裕がある長大なものだ。側梁は180mmチャンネルを用いているので、昭和10年代にはいってからの製作である。これらの特徴からトラのものではないかと推察されるが、今となっては藪の中だ。

 落成時の所有者は三油興業KK・常備駅は東室蘭であった。昭和26年2月、タール製品取扱業協同組合に移籍し西八幡駅常備となり、昭和34年3月にはすぐ隣の上戸畑駅に異動した。昭和42年4月、共立産業商事KKに移籍し、常備駅は再び東室蘭に戻った。ヨンサントウを回避するためと思いきや、無事2段リンク改造を受けている。昭和49年3月に廃車となった。このため写真の撮影時には、既に除籍されていたことになる。


タム3200形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
3200 S2405 不明 日本陸運産業KK
3201 S2408 関東車両 三油興業KK
3202 S2404 東洋レーヨン 安宅産業KK
3203,3204 S2503 東洋レーヨン タール製品取扱業協同組合

タム3200形3201の写真

【写真1176の1】 タム3200形3201 昭和49年7月26日 東室蘭駅にて P:吉岡心平

タム500形549の写真

【写真1176の2】 タム500形549 昭和49年7月28日 函館駅にて P:吉岡心平


【特別編176】020306作成、021104リンク追加、040121R4、050414R4A、070706R4A2、090207R4BY、
090624ロット表R3追加、131030R4C。