吉岡心平のマーク

タム8300形8301

私有貨車

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タム8200形
タム8400形

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[ロット表]


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特別編471
特別編473

●積荷
●構造

入口


 今回紹介するのは、我国初の液体サイズ剤専用車のタム8300形である。
 トイレットペーパーは書くとインクが滲むが、ノートは滲まない。このための滲み止め処理を「サイジング」と称し、これに用いる薬品が「サイズ剤」である。原料は松ヤニだが、化学反応により水溶性とされ、本形式の積荷は30%水溶液であった。

 本形式は昭和37年12月富士重で作られた2両1ロットがその全てで、積荷が無毒かつ不燃性なため、構造は地味であった。
 設計比重は1.09・タンク容積は13.9mで、普通鋼製のタンク体は直径1,700mm・長さ

6,360mmである。タンク受台の位置は車端寄で、タム8900形の解説でも述べたように、当時の富士重製タムの特徴の一つであった。
 荷役方式は通常の上入れ下出し方式だが、積荷の粘度が高いため、吐出をアシストする空気管を持っている。
 台枠は標準的な平型で、長さ7,200mm・軸距4,300mm、走り装置は2段リンク式であった。

 所有者は荒川林産化学KKで、常備駅は高萩であったが、昭和48年10月に伯耆大山に移った。昭和52年6月、会社名は。荒川化学工業KKに変わり、平成9年3月に廃車となった。


●同一専用種別 タキ11750形11750 クラフトパルプ廃液専用車だったが、後に液体サイズ剤に変わった。


【特別編472】040227作成R4、050503R4A、070829R4A2。

タム8300形8301の写真

【写真1472】 タム8300形8301 平成2年1月4日 安治川口駅にて P:吉岡心平