吉岡心平のマーク

タム3400形3400

私有貨車

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タム3250形
タム3450形

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特別編43
特別編45

積荷
●構造

入口


 今回は「ムカデの足」のように並んだタンク受台で有名だったタム3400形をご紹介しよう。

 タム3400形は15トン積メタノール専用車で、昭和27年4月汽車東京で製作された。メタノールの15トン車には、一年前にタム3700形が誕生しているが、タンク体材質がアルミ製となったため新形式とされた。後から出来たのに若形式となったのは、計画が先行していた為である。

 本形式の成立にはいくつかの謎がある。鋼製タンク体が使用可能なメタノール用として、なぜ高価なアルミ製タンク体を使用したのか・・・ 当時の資料ではタム3400と3401の2両が計画されたにも拘らず、なぜ実現したのは1両だけなのか・・・
 閑話休題、タンク材質は純アルミで、板厚は胴板13mm・鏡板16mmと流石に厚い。寸法は直径1,860mm・長さ7,390mmとメタノール専用車では標準的だ。

 戦後のアルミ製タンク車の開発は、戦中期に量産された濃硝酸専用車であるタム100形の延長線上からスタートした。日立はその弱点を克服するべく、大型タンク受台等の新機軸を開発したが、汽車会社はタム100形の模倣に終始し、改良の跡は見られない。この後進性ゆえに生じた強度不足が、タンク体の変形・垂下を招き、後年タンク受台を製造時の8個から16個に増設したことの原因となっている。
 台枠は平型で、寸法は長さ8,300mm・軸距4,500mm、走り装置は1段リンクから、ヨンサントウで2段リンク化された。

 落成時の所有者は日本水素工業KK・常備駅は宮下で、昭和46年6月に所有者は社名変更により日本化成KKとなった。小生が実見した時は、タム3700形と共に宮下から越中島へのメタノール輸送に使用されていたが、晩年はタンク体の変形が著しかった。昭和55年1月に廃車となった。


タム3400形3400の写真

【写真1044の1】 タム3400形3400 昭和49年3月5日 越中島駅にて

タム3400形3400の写真

【写真1044の2】 タム3400形3400 昭和49年3月5日 越中島駅にて


【特別編44】010411作成、021107本文修正、031011リンク追加、040121R4、050410R4A、071124R4A2、

080911R4BY、131206R4C。