吉岡心平のマーク

タム20500形22529

私有貨車

 形式
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タム20400形
タム20800形

 番号
[ロット表]

タム20547
タム22570

 ページ
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特別編417
特別編419

積荷
●構造

入口


 今回は、戦中製最後のタム500形で、その後タム20500形になった車両を紹介する。

 戦争中に作られたタム500形は、2ロット31両があり、昭和17年製のタム590は既に解説したが、残り30両は1ロットとして昭和18年2〜4月に新潟で製作された。番号はタム2500〜2529と飛番となり、本車はそのラストナンバーであった。

 基本設計は一年前に作られたタム590に準じるが、タンク帯金の位置は、同時期に作られたタム800形に準じたものに変更された。また戦中製タンク車のお約束として、タンク踏板や標記板は木製化されている。ちなみにタンク手摺は後天的に追加されたものだ。

 台枠は平形だが、側梁は150mmチャンネルのためいささか華奢に見える。ばね吊り受部分に見える補強は、登場時からのものである。

 タム2529として落成時は、石油配給統制KK・柏崎駅常備であった。戦後は連合軍専用車となったが、昭和24年12月に出光興産KKに移籍し、東室蘭常備となった。常備駅は昭和26年2月に本輪西に移り、タム22529への改番を迎えた。その後も道内での石油輸送に使用されていたが、昭和47年7月に日本化学飼料KK・函館駅常備となり、その後は魚油やソリュブル(フィッシュ・ソリュブルの略で、魚油を絞った際に出る水溶性のエキス分)などを輸送していた。本形式では最後まで残った一両で、昭和59年3月に廃車ととなった。


タム20500形22529の写真

【写真1418】 タム20500形22529 昭和54年7月12日 函館駅にて P:遠藤文雄

【遠藤さんから貴重な写真を提供して頂きました】


【特別編418】030908作成、030912誤記訂正、040207R4、050425R4A、090311R4BY、1301108R4C。