吉岡心平のマーク

タキ2100形2193

私有貨車

 形式
索引

タキ2050形
タキ2200形

 番号
[ロット表]

タキ2155
タキ2197

 ページ
索引

特別編324
特別編326

積荷
●構造

入口


 今回は、不可思議な車歴を持つタキ2100形を取り上げよう。

 タキ2100形30トン積石油類専用車であるタキ2193は、2197までの5両ロットの一員として、昭和28年12月川崎で製作された。
 車体主要部の構造・寸法は、通常のタキ2100形と変らないが、唯一奇妙な点として、写真で判るように加熱管の導入部が翼を広げたような形状とされている。
 私有貨車に詳しいファンなら、丸善石油のタサ2400・タキ1500形などにこの形態の加熱管があることをご存知だと思うが、本車は写真の様に日本石油のタンク車なのである!

 ・・・とすると丸善から日石に移籍したと考えるのが自然である。そこで車歴を紐解いて見た。

 ところが意外なことに落成時は出光興産KK所有・本輪西駅常備だったのだ。その後、昭和29年5月に浜川崎に異動し、一月後にタキ2193,94は日本石油KK、タキ2195〜97は丸善石油KKに移籍している。
 だとすれば、この加熱管は出光時代の名残りだった事になる。出光と日石はライバル同士であり、傘下の運輸会社も別個であった。このため両社間で移籍した車両は皆無と言って良いのである・・・
 この形態の加熱管は何を意味するのか、何故ライバル間で移籍したのか、謎はつきない。

 日石に移籍後の常備駅は新興で。後に根岸に移り、タキ2194は昭和51年10月と比較的早く姿を消した。やはり特殊な構造が災いしたのだろうか。一方写真のタキ2193は人並みに生涯を全うし、昭和58年3月に廃車となった。


タキ2100形2193の写真

【写真1325】 タキ2100形2193 昭和56年12月20日 新興駅にて P:吉岡心平


【特別編325】021223作成、040521R4、041205R4A、070704R4A2、090427R4BY、100411R4B。