吉岡心平のマーク

タキ6600形6604

私有貨車

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タキ6550形
タキ6650形

 番号
ロット表

タキ6600
タキ6606

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特別編308
特別編310

積荷
●構造

入口


 橋本さんのリクエストは、東洋レーヨン所有のタキ6600形だ。

 タキ6600形は30トン積エチレングリコール専用車で、28ロット39両が在籍した。東洋レーヨンの所有歴を持つのはタキ6600〜04の3ロット5両で、略同一の外観・構造を持つため、ここでは「東レタイプ」と呼ぶことにしよう。

 タキ6604は03と一緒に昭和34年3月三菱で製作された。
 設計比重は1.11、タンク容積は27.4m3であった。タンク体は普通鋼製だが、積荷の純度保持のため、内面には厚さ2mmステンレス薄板(SUS304)がライニングされている。タンク全体をステンレス製としなかったのは、当時はステンレスが極めて高価だったことによる。タンク寸法は直径1,890mm・長さ10,100mmであった。

 荷役方式は液入管と吐出管を用いた上入れ下出し方式である。「東レタイプ」のチャームポイントは、タンク上部に設置された箱型の吸湿装置である。荷卸し時にタンク内に流入する空気を除湿するためのもので、横置きとなった4本の円筒にはシリカゲルが充填されていた。
 台枠は標準的な平形で、長さ11,000mm・BC間距離7,700mmは、後のロットより少し長い。ブレーキ装置は重量車用であるKE形を装備し、台車はTR41Cであった。

 落成時の所有者は東洋レーヨンKK・常備駅は三島で、自社工場で消費するエチレングリコールを、前川の三井石油化学からの輸送に使用されていた。昭和45年4月に会社名は東レKKに変更され、平成4年4月に廃車となった。ちなみに「東レタイプ」の残り4両は、昭和36年3月に三井物産KKに移籍し、常備駅は桜島に変わっている。


■主要諸元
製造年   昭和34年3月
製造所   三菱
設計比重  1.116
タンク容積 27.4m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドーム有
タンク材質 普通鋼
タンク板厚 胴板8mm
タンク内面 厚さ2mmステンレス板
タンク直径 1,890mm
タンク長さ  10,100mm
●荷役方式
荷役方式 上入れ下出し式吸湿装置付
●下廻り
台枠形式   平形
長さ      11,000mm
BC間距離  7,700mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KE305形
台車       TR41C形

タキ6600形6604の写真

【写真1309の1】 タキ6600形6604 昭和62年1月3日 村田駅にて P:吉岡心平

タキ6600形6604の写真

【写真1309の2】 タキ6600形6604 昭和63年2月14日 村田駅にて P:吉岡心平


【特別編309】021120作成、030202リンク追加、040128R4、041202R4A、050513リンク追加、070930R4A2、
081202R4BY、100508諸元追加+R4B、130810R4C。