吉岡心平のマーク

タキ1900形11926

私有貨車

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タキ1800形
タキ2000形

 番号
[ロット表]

タキ1933
タキ11931

 ページ
索引

特別編300
特別編302

積荷
●構造

入口


 タキ1900形は我国を代表するセメント専用車だが、中には試作的要素の強い車両も存在した。今回取り上げるタキ11926もその一つである。

 タキ11926と27はタキ1900形の第9ロットとして、昭和41年2月川崎で落成した。設計比重は1.25、タンク容積は32mで在来車と変わらず、タンク寸法も同一であった。
 それでは何故ここで取上げたのかと言えば、荷役装置に特徴があったからである。粉体輸送車の標準的荷役方式はエアスライドだが、中には空気により積荷を流体化させてサイロまで輸送する「圧送荷役方式」に対応した車両があった。
 本ロット2両は、タキ1900形で初めて圧送装置を装備した試作車である。タンク体には、流体化したセメントを輸送する吐出管が追加された。セメントの吸込みノズルはタンク底部にあり、タンク内部

を立上がった吐出管はタンク上部に露出し、先端はゴム製の流量調整弁となっていた。積込口は耐圧構造のものとされ、タンク体上部には調整圧力1.9Kg/cmの安全弁が追加されている。写真2でタンク踏板上にあるのが吐出管である。
 台枠以下は通常のタキ1900形と同様で、台車はTR41Cであった。

 所有者は明星セメントKK、常備駅は糸魚川であった。本形式のタンク体は、軽量化のため小判型断面を採用しているが、内圧には弱かったようで、後継車としてはタンク形状を同心円状の異径銅としたタキ10600形35トン車が、昭和43年4月以降量産された。このため同形式落成後の昭和43年8月頃、圧送装置は撤去され、通常のタキ1900形となった。写真1では安全弁撤去後の座が見て取れる、平成元年9月に廃車となった。


【特別編301】021107作成、021116リンク追加、040214R4、050427R4A、070722R4A2、090501R4BY。

タキ1900形11926の写真

【写真1301の1】 タキ1900形11926 昭和48年6月16日 糸魚川駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】

タキ1900形11926のカタログ写真

【写真1301の2】 タキ1900形11926 P:川崎重工カタログ 阿部貴幸所蔵

【阿部さんから貴重な写真を提供して頂きました】