吉岡心平のマーク

シキ1二代形1二代

私有貨車

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シサ10形
シキ15形

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[ロット表]


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特別編234
特別編236

積荷
●構造

入口


 曽我さんのリクエストは、妙な私有貨車としてベストテンに入るであろうシキ1二代形だ。

 シキ1二代形はエチレン積フレキシバンコンテナ専用車で、昭和36年10月汽車で1両が製作された。荷重は30トンで、総重量14.5トンのフレキシバンを2個積載する。
 なぜ大物車に類別されたのか不思議だか、他に適当な車種がなかったために他ならない。ちなみにフレキシバンの貨車は過去3両があったが、一両づつ長物車、大物車、コンテナ車となっている。

 外観・構造は昭和35年に汽車が自費製作したチキ9000形に酷似し、フレキシバンの荷役方式は荷役時にターンテーブルを油圧で上昇させてから回転させるMarkT形である。主要寸法をチキ9000形と比較すると、フレキシバンの長さが100mm長くなったため、台枠長さは14,300mm・BC間距離は11,000mmと各200mm長い。
 ブレーキは手動切替式積空ブレーキであるUC形、台車はTR63Bと、私有貨車には勿体無い高級装備だが、これはもともとコンテナ特急で運用することを目的としたチキ9000形の設計を準用したためだ。

 積載するフレキシバンは長さ6.6m・総重量14.5トンで、後の10トンコンテナより一回り大型であった。時にフレートライナーがスタートする9年前のことであった。寸法は長さ6600mm×幅2460mm×高さ1400mmで、台枠上に400リットル入ボンベ18本を6列3段に積載した。ボンベ寸法は直径318mmX長さ6,145mmで、18本を合計したタンク容積は7.2m3となり、充填量は約2トンであった。取出入弁と安全弁は車端部に設置されていた。車体側面はトラス構造となっているが、周囲に薄鋼板製の保冷キセがあるため、外観からは判らない。屋根は山形であった。

 所有者は丸善石油KK・常備駅は新興であった。運用は日本石油化学川崎製油所から丸善石油松山製油所までで、貨車輸送は浜川崎から宇高航路を経て三津浜まで、道路輸送は同駅から松山製油所間で実施された。どの程度使用されたのかは明らかではないが、昭和43年10月に汽車会社KK所有、小名木川駅常備となった。廃車とならなかったのは、フレキシバンのPRにでも活用する腹があったものと思われる。合併で昭和47年8月に川崎重工業KK・岡本駅常備となったが、結局昭和48年10月に廃車となった。


●関連形式 タ300形300 2年前に製作されたマルチボンベ方式エチレン専用タンク車。

        タ300形302 昭和34年製の第二ロット。


【特別編235】020713作成、040726リンク追加、040731R4、050410R4A、090701R4BY。

シキ1b形1bの写真

【写真1235の1】 シキ1二代形1二代 昭和36年10月 P:鈴木靖人撮影/堀井純一所蔵

【堀井さんから故鈴木さんが撮影された、貴重な写真を提供して頂きました】

シキ1b形1bの写真

【写真1235の2】 シキ1二代形1二代 P:吉岡心平所蔵