吉岡心平のマーク

タキ10400形10400

私有貨車

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タキ10350形
タキ10450形

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特別編235
特別編237

●積荷
●構造

入口


 今回はリクエストにお答えして、タキ10400形を取り上げる。

 タキ10400形は30トン積アセトアルデヒド専用車で、昭和43年1月日立で製作された。一形式一両で、同一メーカー・ユーザーのコンビが昭和39年に製作したタム8400形15トン車の大型化後継車である。この時点で、三菱のタキ6850形、富士重のタキ9250形、そして日立の本形式と3車3様のアセトアルデヒシド専用車が出揃ったが、その設計思想を比較して見るのも興味深い。

 外観・構造は、基本をキセ付35系に置いた点が特徴である。タンク材質は普通鋼製で、35系標準の耐候性高張力鋼は使用していないが、これは積荷との相性のためだ。このため板厚は胴板8

mm・鏡板10mmと厚く、荷重が30トンに押えられた原因となっている。タンク形態は葉巻型のC3タイプ異径胴で、周囲には重度の保冷用キセを装備していた。荷役方式は上入れ上出し方式だが、タンク上部の弁装置群は、保冷カバーで覆われているため、外部からは良く判らない。
 台枠は35系標準の中梁省略タイプで、長さは11,500mm・BC8,500mmであった。なお、キセ付35系にはこの寸法の台枠をもつ形式が多く、「BC8500タイプ」と通称されている。ブレーキは両側+積空、台車は通常のTR41Cであった。

 落成時の所有者は倉敷レイヨンKK・常備駅は中条であった。会社名は昭和45年10月にKKクラレに変更された。タム8400形と共に使用されていたが、昭和58年9月に廃車となった。 


■主要諸元
製造年   昭和43年1月
製造所   日立
設計比重 0.79
タンク容積 37.9m3

●上廻り
タンク形態 異径胴(C3)形ドームレス
タンク材質 普通鋼
タンク板厚 胴板8mm・鏡板10mm
タンク両端直径 1,850mm
タンク中央直径 2,300mm
タンク長さ 11,000mm
熱絶縁 厚さ100mm断熱材
●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   35系標準
長さ      11,500mm
BC間距離  8,500mm
留置ブレーキ 両側
空気ブレーキ KE305形
台車      TR41C形

タキ10400形10400の写真

【写真1236】 タキ10400形10400 P:吉岡心平所蔵


【特別編236】020716作成、040123R4、050427R4A、070626R4A2、081220R4BY、100914R4B、130902諸元追加+R4C。