吉岡心平のマーク

タキ300形390

私有貨車

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タキ250形
タキ400形

 番号
[ロット表]

タキ382
タキ399

 ページ
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特別編197
特別編199

積荷
●構造

入口


 今回のリクエストは、「神岡の古いタキ300」である。古くからのファンには、神岡と言えば何の変哲もない標準車を想像するものだが、それではこのウエブサイトの名が廃る。そこで今回は、如何にも通好みの車を紹介しよう。

 タキ390は391と共に、昭和26年6月日車支店で製作された。ところが写真を撮ってみてびっくり!! 日車らしさは微塵もなく、日立製と見紛うスタイルだったからである。写真2に比較のため昭和25年日立が日本鉱業向に製作した車両を示す。一見しただけでは写真1と瓜二つだ。

 調査の結果、このロット以前に日車が製作したタキ300形は、昭和7年製の2両(300、01)しかないこと、神岡では半年前にタキ388を日立で製作

していたことが判った。従ってタキ388の増備は、発注先を日立から日車へチェンジしたが、車両自身は同車をデッドコピーとなったものと推定される。その理由がユーザーの指示だったのか、メーカーの都合だったのかは判らない。
 こういった視点で写真を見ると、扁平な鏡板や、中梁から張り出した運転関係標記板など、日立のプラクティスと合致しない点も見て取れる。なおこのロットの次に日車支店が製作したタキ300形は、所謂「何の変哲もない」外観となった。写真3に示しておくので、ご覧頂きたい。

 所有者は神岡鉱業KK・常備駅は猪谷であった。その後、会社名は三井金属鉱業KKに変更され、昭和41年11月常備駅は神岡口となった。昭和50年3月に廃車となった。


■主要諸元
製造年   昭和26年6月
製造所   日車支店
設計比重  1.84
タンク容積 16.6m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドーム付
タンク材質 普通鋼
タンク板厚 胴板9mm・鏡板12mm
タンク直径 1,706mm
タンク長さ  7,700mm

●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   側梁省略形
長さ       8,600mm
BC間距離   5,000mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KC254形
台車      TR41→TR41D形

タキ300形390の写真

【写真1198の1】 タキ300形390 昭和49年9月24日 直江津駅にて P:吉岡心平

タキ300形384の写真

【写真1198の2】 タキ300形384 昭和61年1月3日 幸崎駅にて P:吉岡心平

タキ300形1393の写真

【写真1198の3】 タキ300形1393 昭和50年3月4日 大牟田駅にて P:吉岡心平


【特別編198】020503作成、040714R4、041212R4A、070623R4A2、100721諸元追加+R4B。