吉岡心平のマーク

タキ42750形42758

私有貨車

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タキ42350形
タキ43000形

 番号
[ロット表]


タキ42768

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特別編165
特別編167

●積荷
構造

入口


 今回のリクエストはタキ42750形だ。タキ9800形の改造車だが、専用種別が同じで荷重だけ減るとはまことに不可思議である。そこで今回はそのカラクリを解説しよう。

 灯軽油は「石油類」でなく「ガソリン」専用車で輸送する、と聞くと意外であろう。これは高比重の重油向けに設計された石油類専用車では、得てして低比重の灯軽油を満載出来ないためである。このためタキ9800形は、もっぱら重油の輸送に充当されていた。
 ところがわが国を襲ったオイルショックは産業界に大きな影響を及ぼし、燃料用の重油は価格の上昇で使用量が急減した。余剰化したタキ9800形は灯軽油輸送用に転用が考えられたが、そのままでは満載が不可能であった。そこで加熱管を撤去して容積を増し、設計比重を見直して灯軽油専用の32トン車とした。こうして誕生したのが本形式だが、専用種別は従来の「石油類」のまま据え置かれた。

 タキ9800形からの改造点は、加熱管装置とその点検蓋の撤去で、これらは全て盲蓋で塞がれてた。改造前後の番号対照は、日石輸送プロパー/他社からの移籍車別に、それぞれ番号順に割り当てたようだが、後に未改造による欠番を他車で埋めたため、複雑にして怪奇となっている。

 タキ42758は日石輸送プロパーの車両を改造したもので、昭和38年11月日車本店製のタキ19800を昭和56年9月日車で改造した。改造時の常備駅は沼垂で平成8年4月に廃車となった。

 一方、タキ42871はタキ9843を昭和56年9月に秩父鉄道で改造したものである。種車は昭和 38年1月富士重製で、特別編162で紹介したタキ9842と共に、小型タマネギドームを持つ変形車であった。種車時代に日本輸送に移籍している。改造時の常備駅は南港で、名古屋南港への改名を経て平成9年3月に郡山へ移動し、平成11年8月に廃車となった。


●種車形式 タキ9800形19800 種車時代で35トン積の重油輸送用車。


タキ42750形42758の写真

【写真1166の1】 タキ42750形42758 平成2年6月22日 郡山駅にて P:吉岡心平

タキ42750形42871の写真

【写真1166の2】 タキ42750形42871 平成2年6月22日 郡山駅にて P:吉岡心平


【特別編166】020214作成、020217リンク追加、021204リンク変更、040115リンク追加+R4、050221R4A、
070901R4A2、090510R4BY、100411リンク追加+R4B。