吉岡心平のマーク

タム200形279

私有貨車

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タム100二代形
タム300形

 番号
[ロット表]

タム275
タム282

 ページ
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特別編33
特別編35

積荷
●構造

入口


 相模原市にお住いの木村さんからメールを頂いた。そのメールには・・
 「吉岡様こんにちは。外観研究室特別編10を見ていて疑問を感じたので質問させていただきます。まさか279と282が同一ロットとは思いもしませんでした。279−282は昭和25年に川崎で4輌1ロットで製作されたとのことですが、私が平成6年安治川口で確認した279の形態は正統的な川崎スタイルからはほど遠く、むしろ新潟製の229に酷似します。同一ロットの282やその少し後に同じ川崎で製作された290は典型的川崎スタイルなので、279は後天的にタンク体を更新したということでしょうか? 確かに手元にある279の真横からの写真を鑑定すると、台枠に比してタンク体が短い様に感じます。」・・とある。

 たいへん鋭いご指摘で、真実はこの通りなのである。このようなメールを読者から頂けるようにな

ったことは、貨車研究者として大変嬉しいことだ。

 タム279は昭和25年10月川崎で279〜282の一員として製作された。ここまでは既に紹介したタム282と同様だが、どこか不具合があったのだろう。昭和34年4月頃に新潟でタンク改造を受けた。鉄道公報に未掲載のため正確な月日は不明だが、当時の部内資料によれば受付S340320・決済S340409(運客384号)となっている。改造ではタンク体と受台を新品と交換したため、外観は新潟製と見まごうものに一変した。 このように木村さんの見立ては正解だったのである。

 落成から改造にかけての所有者は大日本紡績KK・常備駅は西大垣であったが、昭和35年2月に280、282と共に四国化成工業KKに移籍した。廃車は奇しくもタム282と同じ日付で、平成7年2月に廃車となっている。


タム200形279の写真

【写真1034の1】 タム200形279 昭和60年11月2日 安治川口駅にて P:吉岡心平

タム200形277の写真

【写真1034の2】 タム200形277 昭和60年11月2日 安治川口駅にて P:吉岡心平

 おまけとして、似た経歴のタム277について説明しておこう。同車はタム279より一年前の昭和24年6月に川崎で誕生したが、昭和32年に新潟でタンク体と受台を更新した。所有者・常備駅の変遷はタム279と同一で、一足早く平成5年6月に廃車となっている。


【特別編34】010312作成、040203R4、050515R4A、070702R4A2、081112R4BY、131211R4C。