吉岡心平のマーク

タム100二代形103二代

私有貨車

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▲タム100初代形
タム200形

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[ロット表]


タム112二代

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特別編924
特別編926

積荷
●構造

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 タム100二代形濃硝酸専用車は既に様々なタイプを紹介したが、今回は一旦廃車された後、同一番号で車籍復活した際、形態が一変した稀有な例であるタム103号車を紹介しよう。

 タム103初代は102と一緒に昭和12年3月大阪鉄工で製作された。同社としては初めての濃硝酸タンク車で、細長いタンク体を長く内股な台枠に搭載したスタイルは後の本形式の標準となったが、タンク周囲には保冷用のキセを装備し、ドームは長円形となっている等、他に類のない変わった形態であった。

 落成時の所有者は日本窒素肥料KK・常備駅は南延岡から昭和15年3月に水俣に移ったが、戦後まもなくの昭和22年6月に廃車された。

 ところが、昭和27年2月に三菱で上廻りを新製し、昭和27年3月にタム103二代として奇跡の復活を果たした。新製したタンク体は強度向上のため皿型の波除板を内蔵し、タンク変形の原因となっていたタンク受台は受圧面積の大きなものを8個装備し、またセンタアンカ部も大面積となった。
 台枠以下は初代時代のものをそのまま再利用したようだ。なお三菱が実施したタンク更新の中では初期のもので、タンク帯金が内側にあるのが特徴である。

 復活時の所有者は新日本窒素肥料KK・常備駅は水俣で、昭和40年1月に社名はチッソKKとなった。ヨンサントウの荒波も2段リンク改造で無事やり過ごしたが、保安度見直しによる缶体点検には勝てず、昭和49年2月に廃車となった。


タム100二代形103の写真

【写真1925】 タム100二代形103 昭和33年5月18日 新小岩駅にて P:豊永泰太郎

【豊永さんの貴重な写真を提供して頂きました】


【特別編925】080903作成R4B。