吉岡心平のマーク

タム200形275

私有貨車

 形式
索引

タム100二代形
タム300形

 番号
[ロット表]

タム272
タム279

 ページ
索引

第245週
第247週

積荷
●構造

入口


 タンク車の増減は社会情勢の変化を敏感に反映する。昭和10年代も後半になると、戦備のため我国工業の中心は重工業中心にシフトし、輸出産業の花形だったレーヨン工業は立場が一転した。このためタム200形ニ硫化炭素専用車の増備は、昭和15年から、戦後の24年まで、間が空くことになったのである。

 タム275は昭和15年3月新潟製で、戦後製最後のタム200形であった。

 外観・構造は戦前製タム200形では、ドームが中央に移ったタイプの標準とも言えるもので、設計比重は1.27・タンク容積は12.1mであった。
 タンク体は普通鋼製(SR39材)を全溶接で組立てたもので、板厚は胴板8mm・同底板10mm・

鏡板10mmであった。胴板低部が厚いのは、戦前から戦後にかけての新潟製の伝統である。タンク直径は1,598mm・長さは6,236mm(推定)で、周囲には保冷用の牛毛フェルト50mmからなる断熱材と薄鋼板製のキセがあり、外被形状は鏡板部に段差のない新潟特有のものであった。
 台枠は平形で、側梁には150mmチャンネルを用い、長さは6,550mm・軸距は3,650mmであった。ブレーキはKD+片側、走り装置は1段リンクだったが、ヨンサントウで2段リンク式に改造された。

 落成時の所有者は旭化学工業KK・常備駅は金津であった。昭和37年10月に東洋化成工業KKに移籍し、五分市駅常備となった。昭和52年4月に廃車となった。


タム200形275の写真

【写真246】 タム200形275 昭和49年5月31日 宇治駅にて P:吉岡心平

この写真は吉岡写真CD−ROM第1巻に「P0004」として収録されています。


【第246週】050515作成R4A、070702R4A2、090114R4BY、130701R4C。