吉岡心平のマーク

タキ21600形21603

私有貨車

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タキ21350形
タキ21700形

 番号
ロット表


タキ21605

 ページ
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特別編25
特別編27

●積荷
●構造

入口


 ご自身のホームページにタキ21600を掲載している松村さんから、これを解説して欲しいとのリクエストを頂いた。トップナンバーは手持ちに良い写真がなかったので、ここでは同一ロットであるタキ21603を取上げる。

 タキ21603はタキ21600形の中で最初に作られた00〜04の一員で、昭和46年6月富士重で製作された。本形式の詳細は、拙著「私有貨車図鑑」で紹介しているのでここでは述べないが、粉末で積込んだ積荷を温水で粥状にして取卸すのが特徴だ。既に紹介したタキ18000形と同一メーカー製で、その一年後に製作されたため、全体として似通った点が多い。

 基本設計は35系タンク車で、タンク体は葉巻型のC3型異径胴である。タンク材質はステンレス鋼(SUS304)で、寸法は両端直径1,600mm・中

央直径2,130mm、長さは9,520mmであった。缶体補強環をタンク外部に設けた点などは、タキ18000形の経験に学んだと推察される。
 荷役装置は特殊で、タンク上部に粉体で積込むための積込口が4箇所あり、中央には取卸しのための注水用配管・バルブ類が設置されていた。構造上のポイントは、車体下部の液出管が固形分で詰まらないように工夫した点にあったようだ。
 台枠は35系標準で、長さは10,300mm・BC間距離は7,000mmである。

 所有者は保土谷化学工業KK・常備駅は郡山で、北海道の港北や山陽の福川など遠隔地のストックポイントに、輸送効率の高い粉体で輸送するために使用された。なお、昭和49年の増備車はタンク形状が魚腹形に変更されている。このタイプは平成6年11月に5両まとめて廃車となり、姿を消している。


●類似形式 タキ18000形18011 昭和45年富士重製、缶体補強環を外側に移した点で先輩格。


タキ21600形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
21600〜21604 S4606 富士重 保土谷化学工業KK
21605,21606 S4912 富士重 保土谷化学工業KK
21607〜21615 S5304〜5305 富士重 保土谷化学工業KK

タキ21600形21603の写真

【写真1026の1】 タキ21600形21603 昭和57年7月31日 苫小牧駅にて P:吉岡心平

タキ21600形21603の俯瞰写真

【写真1026の2】 タキ21600形21603の俯瞰写真 P:長門克巳

【長門さんから貴重な写真を提供して頂きました】


【特別編26】010219作成、021208本文修正、040108R4、040419ロット表追加、050410R4A、070402ロット表
R2、070723ロット表R3+R4A2、080607R4BY、100406R4B。