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タム7200形7203 |
私有貨車 |
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番号 |
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●積荷 |
■入口 |
「LPガス」と言う言葉から連想するのは、炊事などに使うボンベ入りの燃料ガスだ。大半のタンク車はこういった燃料ガス輸送に使われていたので、あながち間違いではないのだが、一部には有機合成用の原料ガスを輸送していた車両もあった。 タム7200形もその一員で、液化プロピレンの輸送用として昭和34〜37年に8両が製作された。メーカーは全て日車本店である。タム7100形液化プロパン専用車に比べ、プロピレンは使用圧力が高く、その分タンク体は頑丈に作られている。このため車両価格も高価で、わざわざ液化プロピレン専用車を製作したのは、三井化学や日本曹達などの化学メーカーが主体であった。 タム7203は7202と一緒に昭和35年8月に製作された。 |
タンク体はボイラー用鋼板製で、使用圧力が高いため板厚は鏡板25mm・胴板20mmと極厚である。タンク寸法は直径1,820mm×長さ13,650mmと、タム7100形より細く長い。専用種別は「液化プロピレン専用」から、昭和38年2月の規程改正で「LPガス専用(最高使用圧力19kg/cm2)」となった。またタンク体塗色も銀色から、その後の法改正で現行の「ねずみ色一号」となった。 所有者は日本曹達KK・常備駅は二本木で、弟分のタサ5500形5511〜13(S37日車本店製)と一緒に、京葉臨海の浜五井から二本木へのプロピレン輸送に就いていたが、落成後15年経った昭和49年11月に廃車となった。なお日石輸送のタサ5700形やタキ25000形も、プロピレンやブタジエンなどの合成原料輸送に充当されていたことが、当時のメモ帳に記載されている。 |
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【写真1017】 タム7200形7203 昭和49年9月24日 二本木駅にて P:吉岡心平